ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が4件、明らかになった。北陸電力から志賀原子力発電所の工事関係情報が、国交省中部地方整備局から行政事務情報が、千葉県旭市消防団から団員名簿が、兵庫県西宮市立留守家庭児童育成センターから学童保育の児童情報が、Winnyネットワーク上に流出した。
■北陸電力、志賀原発の工事関係情報流出
北陸電力(本店:富山県富山市)は22日、石川県志賀町にある志賀原子力発電所の工事関係情報の流出を明らかにした。流出したのは志賀2号機の建設時に協力会社が作成した工事報告書で、核物質防護や発電所の保安に関する情報は含まれていない。
発電所の補修工事報告書をめぐっては2005年11月、極東ゴム(本社:堺市堺区)が作成した電力各社のものが、個々のファイル単体でWinnyネットワーク上に大量に流出していることが指摘され、関西電力美浜発電所(福井県美浜町)や東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町)、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)などが報告されていた。北陸電力では、2006年1月に同社から報告を受け事態を把握。今月13日に外部からの指摘を受けて調査したところ、当時の情報と同一であり新たな情報流出は確認されなかったという。
・志賀原子力発電所2号機工事関係情報の流出について[PDF](北陸電力)
http://www.rikuden.co.jp/press/attach/07082201.pdf
■国交省中部地方整備局、また行政事務情報が流出
国交省中部地方整備局は21日、同局の行政事務情報がWinnyを介して流出し、ネット掲示板に掲示されたことが判明したと発表した。
流出したのは同局名古屋国道事務所の道路占用許可申請関係書類などで、6名の氏名、住所、電話番号などが記載されていた。当該情報は業務を委託した中部建設協会の当時の職員が持ち帰り、私有パソコンに保存して消し忘れていたもので、今月18日にネット掲示板で流出が報告されていた。同局は、個人情報を含む事務情報が流出したこと、およびネット掲示板に掲載されたことは誠に遺憾だとコメントしている。
・ファイル共有ソフトWinnyによる情報の流出について(国土交通省中部地方整備局)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2007/0816.html
・ファイル共有ソフトWinnyによる情報の流出について(第二報)(国土交通省中部地方整備局)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2007/0817.html
■千葉県旭市消防団、団員名簿流出
千葉県旭市消防団の団員名簿がWinnyネットワーク上に流出していたことがわかった。流出したのは、飯岡方面隊第2分団第3部に所属していた昨年度の団員15名の名簿。旭市消防本部によると、今年3月に退団した団員が所属当時、自宅のパソコンで個人的に作成したもので、団員の氏名や職業、連絡先が記載されていた。先月30日にウイルスに感染し流出したものと見られる。
・旭市
http://www.city.asahi.lg.jp/
■兵庫県西宮市、学童保育の児童情報流出
兵庫県西宮市は6日、西宮市社会福祉協議会が管理する市立留守家庭児童育成センターの指導員の私有パソコンから、児童の個人情報がWinnyネットワーク上に流出したと発表した。流出したのは、児童1名の行動や性格などを記載した2005年4~6月の報告書で、他の児童など9名の名前も含まれていた。当該指導員が同年6月、自宅のパソコンで報告書を作成し保存していたところ、家族がWinnyをインストールし流出。今月3日、国からの連絡で発覚した。
・西宮市
http://www.nishi.or.jp/
・西宮市社会福祉協議会
http://www.n-shakyo.jp/
(2007/08/23 ネットセキュリティニュース)