先週、他人のIDとパスワードを使ってオンラインゲームに不正アクセスしたことによる、10代少年の逮捕と補導が相次いだ。無職少年はアイテムほしさ、小学6年の児童3人は「同級生のキャラクターが見たい」が動機だった。
■ 京都府警ハイテク犯罪対策室、無職少年を逮捕
京都府警ハイテク犯罪対策室は6日、兵庫県宝塚市の無職少年(17歳)を不正アクセス禁止法違反などの疑いで逮捕した。調べでは、少年は2月、京都市の男性(33歳)や愛知県の男性(35歳)のIDとパスワードを使ってゲームサイト「ハンゲーム」にアクセスし、パスワードを勝手に変更した疑い。少年は、2人の持っていたアイテム29点を盗んでいた。少年は、アイテムの交換をしようとチャットで持ちかけて、男性2人のほかにも15人くらいからIDやパスワードを聞き出していたという。
■ 愛知県西尾署、小学6年の児童3名を補導
愛知県西尾署は7日、同級生のIDとパスワードを使ってオンラインゲームに不正にアクセスしたとして、愛知県内の小学6年の児童3名を補導し、児童相談所に通告した。3名は、同級生の男子から聞き出したIDとパスワードを使って、オンラインゲーム「メイプルストーリー」に8回にわたって不正にアクセスしたとみられる。3名は、同級生のキャラクターやアイテムを見たくなり、不正アクセスを行ったという。メイプルストーリーは、来月よりアニメ放映も始まる人気オンラインゲームで、低年齢層のプレイヤーも多い。
【解説】
アイテムを手に入れたい、珍しいアイテムを転売して金銭を得たいなどの理由から、子どもがオンラインゲームに不正にアクセスするケースは、これまでにもたびたび明らかとなっている。8月に警察庁が発表した、今年上半期のサイバー犯罪検挙状況のまとめの中にも、静岡県の中学生男子(15歳)らが2月、アイテム収集の目的で、チャットを使って被害者をだまし、キーロガーでIDやパスワードを盗み取って不正アクセスを行った事例があげられている。不正アクセスはれっきとした犯罪行為であり、今回のように「キャラクターを見たい」という他愛のない動機から行った場合でも、補導や逮捕の対象となる。
(2007/09/10 ネットセキュリティニュース)
■ 平成19年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h19/pdf37.pdf