スパイウエアなどでIDやパスワードを盗み、インターネット上に開設された口座へ不正アクセスして預金を不正に引き出す「ネットバンキング不正引き出し」の被害が激増していることが、全国銀行協会の調査でわかった。昨年同期比で件数は約10倍、金額は5倍近くも増加している。
同協会は2005年4月より、会員(182行)を対象にネットバンキングの不正引き出しに関するアンケートを実施し、3か月毎に被害件数と金額の集計を発表している。今年1~3月期は被害件数30件、被害金額1,800万円だったが、8月23日に発表された今年4~6月期の集計をみると、被害件数は41件、被害金額は5,800万円に急増している。昨年4~6月期の被害(4件、1,200万円)と比べると、件数は約10倍、金額は5倍近くも増加していることがわかる。
同時に行われたアンケート結果では、偽造キャッシュカードや盗難キャッシュカードによる被害金額は昨年より減少している。また、盗難通帳による被害金額も近年、減少傾向にある。これらに対し、ネットバンキング不正引き出しの被害金額の著しい増加が目立つ。
同協会では、金融犯罪0(ゼロ)キャンペーンを展開し、スパイウエアによる個人情報の盗難や、金融機関を装った偽のホームページを使ったフィッシング詐欺などに対する注意を呼びかけている。
(2007/09/04 ネットセキュリティニュース)
■盗難通帳による払出し件数・金額等に関するアンケート結果等について(全国銀行協会)
http://www.zenginkyo.or.jp/news/19/news190823.html
■全国銀行協会
http://www.zenginkyo.or.jp/
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
ネットバンクを狙う犯罪:1件あたりの被害金額が増加、手口も巧妙化
トピックス:ネットバンキングのセキュリティは今 ~動き始めた政府と金融機関