ウイルス感染によるファイル共有ソフトを介した情報流出が3件、明らかになった。ソフトバンクテレコムからはODNの顧客情報が、済生会横浜市東部病院と藤沢内科消化器科クリニックからは患者情報などがインターネット上に流出した。
■済生会横浜市東部病院、NTT東日本から患者情報など1万1,097名分流出
済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)とNTT東日本は25日、NTT東日本社員の私有パソコンから、同院の患者情報などを含む業務関連ファイルが流出したと発表した。
同院などによると、流出したのは今年4月~7月分の診療費支払いの会計情報9,951名分と、職員情報1,146名分。同院の医療情報システムの開発を担当した、NTT東ビジネスユーザ事業推進本部に所属する社員の私有パソコンが、今月17日ごろにウイルスに感染しShareネットワーク上に流出したものと見られる。翌18日にNTT東が流出を発見し、その後の調査で同院の患者情報が含まれていたことを確認。19日夕方に同院に報告した。
NTT東は、顧客と社員あわせて4万1,289件の個人情報流出を20日に公表したばかりだが、それに次ぐ大規模な流出となった。
・病院情報の一部漏洩について(済生会横浜市東部病院)
http://www.tobu.saiseikai.or.jp/news_release.html
・済生会横浜市東部病院様のお客様情報等の流出に関するお詫びとお知らせ(NTT東日本)
http://www.ntt-east.co.jp/release/0709/070925a.html
【関連記事:ネットセキュリティニュース】
・[Winny]情報流出:NTT東日本、元社員の私有パソコンから4万1,289件(2007/09/21)
■ソフトバンクテレコム、ODNの顧客情報511件流出
ソフトバンクテレコム(本社:東京都港区)は21日、同社が提供しているODNサービスの顧客情報を含む業務関連ファイルがWinnyネットワーク上に流出したと発表した。
流出したのは2003年までにODNサービスを契約した顧客の氏名と、住所、電話番号、メールアドレスなど511件。うち411件は氏名のみだが、10件にはクレジットカード番号も含まれていた。同社によると、流出したファイルは旧日本テレコムで2004年1月までサポート業務に従事していた元業務委託社員が無断で持ち出し、自宅のパソコンに保存していたもの。今月17日、ネット掲示板にODNの契約解除通知書や催告書、利用停止通知書などが流出しているとの書き込みがあり発覚。同社は18日に流出を知り、情報の件数や項目を確認した。
同社は、該当者に対し速やかに謝罪と事情説明を行うといい、今後は再発の防止に向けて業務委託先を含めた全社員に対して顧客情報の管理教育を徹底して行うとしている。
・お客様情報などの流出に関するお詫びとお知らせ(ソフトバンクテレコム)
http://www.softbanktelecom.co.jp/release/2007/sep/0921/index.html
■藤沢内科消化器科クリニック、患者の氏名と保険者番号流出
藤沢内科消化器科クリニック(神奈川県藤沢市)は22日、インターネットを介して患者の個人情報の一部が流出したと発表した。
同院によると、流出した情報はは患者の氏名、同院でのID番号、保険者番号の一部、一部薬剤。住所や電話番号、生年月日、病名などは含まれておらず、流出したデータから個人を特定できる可能性は極めて低いという。今月9日ごろにウイルスに感染しWinnyネットワーク上に流出したものと見られ、21日に指摘を受けて判明した。
同院は該当者に個別に連絡するとともに、実態を正確に把握するための流出情報の確認作業を進め、新たな進展があった場合にはホームページまたは書面で報告するとしている。
・個人情報の流出に関するお詫びとお知らせ(藤沢内科消化器科クリニック)
http://www3.ocn.ne.jp/~harigane/kyushinno.htm
(2007/09/25 ネットセキュリティニュース)