情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は2日、10月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況のまとめを発表した。ウイルスの届出件数は9月と同水準で推移したが、「ワンクリック不正請求」の相談件数が過去最多の369件となり、これを受けてIPAは「安易なクリックが危険を招く」として注意を呼びかけている。
まとめによると、10月のウイルスの検出数は約50万個で前月より15.2%増加。その大半はW32/Netskyで、約44万個だった。ウイルスの届出件数は2,419件で、前月と同水準で推移した。また、不正アクセスの届出件数は10件。うち被害があったのが9件(侵入3件、DoS攻撃1件、アドレス詐称2件、その他3件)で、外部サイトを攻撃するための踏み台にされる、フィッシングに悪用されるという内容だった。
一方、IPAに寄せられた相談件数1,128件のうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が369件にのぼり、8月の330件を超えて過去最多となった。相談の中でも特に多かったのが「請求書が表示され、消えなくなってしまった」というもの。これは、アダルトサイトなどの危険なサイト内をクリックし続けた結果、ウイルスに感染してしまったケースだ。
IPAは、請求書が表示されるまでの典型例をあげ、ウイルス感染までに警告画面を無視して何度もクリックが繰り返されていると指摘。興味本位による操作が被害を招いていることをユーザー自身が認識し、危険なサイトからはすぐに離れることが重要としている。最近では、ペットの写真や芸能人の情報といった関係のないサイトからアダルトサイトへ導かれてしまうケースが増えている。このような場合も、興味本位でボタンなどをクリックしないよう注意を呼びかけている。
また、請求書が表示されてしまった場合の対処法として、慌ててお金を振り込んだり請求書の連絡先に問い合わせたりせず、パソコンの再起動やシステムの復元、パソコンの初期化などを行って、請求は無視するように勧めている。
(2007/11/06 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[10月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/11outline.html
■コンピュータウイルスの届出状況[2007年10月分]について[PDF](IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/documents/virus-full0711.pdf
■コンピュータ不正アクセスの届出状況[2007年10月分]について[PDF](IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/documents/crack-full0711.pdf
■クリックしただけで料金請求された場合の対応方法について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/ciadr/oneclick.html