ソフトバンクモバイル、NTTドコモ、KDDIの携帯3社が、有害サイトへのアクセスを制限する「フィルタリングサービス」の利用促進に関する具体策を発表した。3社は昨年12月、総務省からの要請に応え、親権者が不要と申し出ない限り未成年者の携帯にフィルタリングサービスを原則適用するとの方針を発表。9日にソフトバンクが、15日にドコモとKDDIがそれぞれ、取り組みの具体的内容を公表した。
各社の発表によると、新規契約者が20歳未満の場合と、既存契約者が18歳未満の場合および、契約者が成人であっても実質利用するのが18歳未満と確認できた場合は、親権者が不要と申し出ない限りフィルタリングサービスが自動的に適用されることになる。(ソフトバンクでは、成人名義の既存契約の場合、一部例外がある。下記参照)
フィルタリングにはホワイトリスト方式とブラックリスト方式の2種あり、前者はあらかじめチェックして安全とわかっているサイトのみ閲覧を許す方式で、後者はデータベースに基づいて有害なサイトへのアクセスをブロックする方式。ホワイトリスト方式のほうがより確実なフィルタリングといえる。
各社の原則適用とするサービスをみると、ソフトバンクはブラックリスト方式の「ウェブ利用制限」、ドコモはホワイトリスト方式の「キッズiモードフィルタ」、KDDI(au)はホワイトリスト方式の「EZ安心アクセスサービス接続先限定コース」(これまでの「EZ安心アクセスサービス」の名称を変更したもの)。各社とも、申し出により別のサービスを利用することもできる。ソフトバンクではホワイトリスト方式の「Yahoo!きっず」、ドコモではブラックリスト方式の「iモードフィルタ」、KDDIではブラックリスト方式の「EZ安心アクセスサービス特定カテゴリ制限コース」(3月3日に新設)が使える。
新規契約については、各社とも20歳未満をフィルタリング原則適用の対象とする。ソフトバンクでは1月中旬から、ドコモとKDDIでは2月1日から実施。また、成人名義で新規に契約をする際でも利用者が18歳未満かどうかを確認し、18歳未満と確認できた時はフィルタリングを適用する。ソフトバンクでは6月以降予定、ドコモでは3月3日予定、KDDIでは3月より実施する。
既存契約については、契約者が18歳未満でフィルタリングサービス未契約の場合、各社ともサービス利用の意思を確認する。ソフトバンクでは2月からSMS(ショートメッセージ)で複数回確認。ドコモでは2月以降、親権者を対象にホームページや請求書同封物で案内。KDDIでは2月以降、親権者を対象に請求書同封物・ダイレクトメール・Eメール等により複数回案内する。不要という申し出がない限り、ソフトバンクでは6月以降、ドコモでは8月以降、KDDIでは6月以降、順次フィルタリングを適用する予定。
成人名義での既存契約についても、18歳未満が利用していると確認できた場合は、各社ともフィルタリング利用の促進を図る。KDDIでは2月より、請求書同封物でフィルタリングサービス利用の意思確認を行い、不要との申し出がない限りフィルタリングを適用する。ソフトバンクでは2月以降、請求書同封物、ダイレクトメール、SMSでの案内を通じて、フィルタリングサービスの利用を推奨する(原則適用ではない)。また6月以降は、機種変更、情報変更申し込みの際に利用者が18歳未満かどうかを確認し、18歳未満と確認できた場合はフィルタリングを原則適用する。ドコモでは、実施時期を明らかにしていないが、既存の成人契約者に利用者が18歳未満かどうかを申し出てもらう。18歳未満だと申し出があった場合は、フィルタリングが原則適用される。
(2008/01/16 ネットセキュリティニュース)
■フィルタリングサービスの取り組みについて(ソフトバンクモバイル)
http://www.softbankmobile.co.jp/corporate/news/press/2007/20080109_01/index.html
■青少年により安心・安全に「iモード」をご利用いただくための更なる取組みについて(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080115_00.html
■au携帯電話でインターネットを安心・安全にご利用いただくための取り組みについて(KDDI)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0115a/index.html