トレンドマイクロのウイルス対策ソフトに、特定の条件下でウイルス検索に時間がかかる不具合があることが分かった。個人向け製品「ウイルスバスター」を含め、ウイルスパターンファイル「4.995.00」を適用した製品で問題が発生する。
同社は、13日の時点では企業向けの4つの製品が影響を受けるとしていたが、14日、個人向け製品「ウイルスバスター」を含め、パターンファイル「4.995.00」を適用した全製品に影響があることを明らかにした。同社はパターンファイルを、不具合を修正済みの「4.997.00」以降へアップデートしてほしいとしている。
同社によると、問題のパターンファイル「4.995.00」は13日午前0時ごろに公開された。不具合を修正した「4.997.00」の公開は、同日午前6時40分ごろ。自動アップデート等で「4.997.00」以降が適用されている場合は、問題は発生しない。同社は、パターンファイル「4.995.00」で、近年主流となっているダウンローダ型不正プログラムに対抗するため、振る舞いに基づく検出を行う機能を強化。この新機能において、対象ファイルのサイズや種類によっては、演算時に通常想定している処理時間の限界値を逸脱してしまい、トラブルが発生する。
岐阜県美濃加茂市では、この不具合により13日午前9時ごろから市役所の住民情報システムに障害が発生し、住民票、印鑑証明書等の証明書の発行ができなくなった。不具合は午後3時15分に解消したが、その間、請求された証明書67件を発行できなかった。
トレンドマイクロ製品については、2005年4月にもパターンファイルの不具合により問題が発生。交通機関や報道機関を含め、多数の企業で業務に支障を来す大規模なシステム障害に発展した。
(2008/02/15 ネットセキュリティニュース)
■ウイルスパターンファイル4.995.00へのアップデート後に発生する現象についてのお知らせ(トレンドマイクロ)
http://www.trendmicro.co.jp/support/news.asp?id=1058