ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介した情報流出が3件、明らかとなった。日立グループ企業のバブコック日立からは、2つの火力発電所の業務資料が流出。宮崎大学附属病院からは患者情報が、川崎市の市立中学校からは就学援助を申請した生徒の情報や成績などが流出した。
■バブコック日立、姉崎火力発電所と碧南火力発電所関連の業務情報流出
日立製作所(本社:東京都千代田区)と、日立グループ企業で発電用ボイラ等を製造するバブコック日立(本社:東京都千代田区)は14日、東京電力の姉崎火力発電所(千葉県市原市)3号機と、中部電力の碧南火力発電所(愛知県碧南市)2号機の試運転に関する報告書類がネット上に流出したと発表した。東京電力と中部電力も同日、事態を公表している。日立製作所は、両電力会社からそれぞれの発電所に関する作業を受託し、バブコック日立に業務を委託していた。各社の発表によると、バブコック日立社員の私有パソコンがウイルスに感染したため、6日、保存してあったデータがWinnyを介してネット上に流出した。流出は12日までに判明。流出した情報に、顧客情報や、電力供給に関する機微情報は含まれていなかった。
・ファイル交換ソフトを介した情報流出について(日立製作所/バブコック日立)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/02/0214b.html
・業務委託先からの姉崎火力発電所に関する情報流出について(東京電力)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/08021402-j.html
・当社火力発電設備に関する情報流出について(中部電力)
http://www.chuden.co.jp/corpo/publicity/press2008/0214_4.html
■宮崎大学医学部附属病院、退職医師のPCから患者情報22名分流出
宮崎大医学部附属病院(宮崎県清武町)の患者22名の情報がネット上に流出していたことが、12日に明らかとなった。同病院や宮崎大によると、流出していたのは、2003年に退職した男性医師が私有パソコンに保存していたデータで、患者22名の氏名、生年月日、病名など。パソコンがウイルスに感染したため、データがWinnyのネットワーク上へ流出した。
・宮崎大学医学部附属病院
http://www.miyazaki-med.ac.jp/hospital/
■川崎市立中学校、女性臨時教諭のPCから生徒情報366件流出
川崎市教育委員会は1月30日、市立中学校生徒の個人情報366件がネット上に流出したと発表した。市教委によると、2006年度に同校で勤務していた女性臨時教諭(47歳)の自宅のパソコンがウイルスに感染し、保存してあったデータがWinnyネットワーク上に流出した。流出したのは、就学援助を申請した生徒40名の氏名、住所、電話番号と、生徒326名の2006年度の音楽の成績とテスト結果など。
・川崎市
http://www.city.kawasaki.jp/index.html
(2008/02/15 ネットセキュリティニュース)