東京消防庁の内部文書が、ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介して流出したことがわかった。さいたま市北消防署では、先日発覚した流出事件の詳細を発表した。また、いわゆる原田ウイルスの作者に対する無期停学処分を大阪電気通信大学が発表、京都地裁では初公判が行われた。
■東京消防庁、職員の私用PCから内部文書が流出
東京消防庁深川消防署(江東区)が保管する内部文書の流出が明らかになった。11日夜、同消防署からと思われる流出情報がインターネットの掲示板「2ちゃんねる」に書き込まれた。出火原因判定書、現場(鑑識)見分調書、立入検査結果通知書等が十数通などが流出しているというもので、流出物の見本と思われる画像2枚のリンクも書き込まれていた。画像は、ワープロで作られた「現場(鑑識)見分調書」の一部、「月中立入検査実施結果報告書」というExcelの表の一部で、個人情報などは見えないように黒塗りされていた。同署の職員が職場で使用していた私物パソコンを自宅に持ち帰り、Winnyを経由して流出したとみられる。私物パソコンには、この他に都民15名分と職員9名分の氏名や住所などの個人情報が含まれた24個のファイルが入っており、同庁はこれらの情報も同様に流出した可能性があるとしている。
・東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/
■さいたま市消防局、流出情報は344名分の個人情報を含む行政情報44件
さいたま市消防局の行政情報がWinnyを介して流出した問題で、市は17日、流出情報についての調査結果を発表した。同市の発表によると、行政情報を持ち出した時期は1999年度、2004年度から2005年度までの不定期。流出した行政情報は合計44件で、344名分の個人情報(氏名、住所、電話番号、生年月日等)が含まれていた。同市は、個人情報が流出した可能性がある市民へ経過説明と謝罪を実施している。
・個人情報を含む行政情報の流出に関する調査結果について[PDF](さいたま市)
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1205826001008/files/siryou.pdf
■大阪電気通信大学、ウイルス作者の大学院生を無期停学処分
大阪電気通信大学は15日、いわゆる「原田ウイルス」作成者の大学院生を無期停学とすることを発表した。同学生本人に起訴事実を確認した上で、友人の顔写真など個人情報を本人に無断でネット上の不特定多数に流したこと、およびウイルスを潜ませたファイルをネット上に流したことを、大学院教授会で学則違反に当たると判断。無期停学処分となった。
また、18日には、著作権法違反と名誉棄損の罪に問われている同学生の初公判が京都地裁にて行われ、同学生は起訴事実を認めた
・大学院生の処分について(大阪電気通信大学)
http://www.osakac.ac.jp/oecu/news/diary.cgi?no=251
(2008/3/19 ネットセキュリティニュース)