インターネット競売サイトの最大手「Yahoo!オークション」で詐欺被害にあった全国の被害者780人が、運営会社のヤフー(東京都港区)に対し、総額1億5,800万円の損害賠償を求めていた集団訴訟で、名古屋地方裁判所は3月28日、請求棄却の判決を出した。
本訴訟は2005年3月、Yahoo!オークションで商品を落札し代金を支払ったが商品を受取れない等の詐欺にあった被害者571名が、「ヤフーオークションシステムには詐欺被害を生じさせないシステムを構築する義務に反する瑕疵(かし)があった」として、ヤフーに損害賠償の支払いを求めていたもの。同年6月には137名の被害者が第2次訴訟を、2007年には72名の被害者が第3次訴訟を起こし、計780名が総額1億5,800万円の損害賠償を求めていた。
一方、被告側のヤフーは、注意喚起は十分に行っており、商品売買は利用者の自己責任によって行われることが、サービス利用者との間で合意されているとして、請求の棄却を求めていた。
黒岩裁判長は、「被告には、詐欺の被害防止に向けた注意喚起を時宜に沿って行う義務がある」としたうえで、「被告は時宜に沿った注意喚起を行っていた」と認めた。また、原告側が求めていた第三者機関による評価システムの導入や、出品者情報の開示、エスクローサーサービス利用の義務付け、詐欺被害の保証制度の完備といった具体的な義務については、「被告にこれらの具体的義務を要求することは困難である」として、原告側の損害賠償請求を棄却した。
(2008/04/01 ネットセキュリティニュース)
■ヤフーオークション集団訴訟原告団のサイト
http://web-sos.info/
■上記サイトに掲載された「判決要旨」[PDF]
http://web-sos.info/judge/20080328hanketsu.pdf