ウイルス感染による情報流出問題が続くファイル共有ソフトだが、それ以前からずっと問題化しているのが権利者に無断でやりとりされている違法なファイルたちだ。映画、音楽、漫画、ゲームやOS、アプリケーションなどのパソコンソフトと、あらゆる著作物が勝手に放流され、権利者たちに深刻な被害を与えている。中には、そんな著作物を拾い集めて転売し、一儲けしようとたくらむ困った人たちまで登場している。
かつて国内で最も人気の高かった「WinMX(ウィンエムエックス)」、MXに続く「ny」こと「Winny(ウィニー)」、Javaで書かれたマルチプラットホームの「LimeWire(ライムワイヤー)」、それぞれのネットワーク上を流れるいわゆるWarez(ウェアーズ、ワレズ、日本語では「割れ」「割れ物」)を集め、海賊版を作成・販売していた呆れた売人たちが、著作権法違反で相次ぎ摘発された。
■[Winny]アダルトゲームの海賊版販売で仙台市青葉区の男を送検
アダルトゲームを違法に複製して販売したとして、宮城県警鳴子署などは4月23日、仙台市青葉区の会社員の男(23歳)を著作権法違反の疑いで仙台地検に送検した。
男は、昨年1月から12月にかけてネット上に約2000種類のタイトルを掲示して注文を受け、Winnyから入手したアダルトゲームをDVDに複製して海賊版を作成。複製したタイトル数に応じ、1枚800~6,000円程度で販売していた。県警では、月6~7万円の売り上げがあったと見ている。
・宮城県警察
http://www.police.pref.miyagi.jp/
■[WinMX]OSやアプリケーションの海賊版販売で、北海道の高3男子生徒を書類送検
Windows Vistaなどを違法に複製し販売したとして、宮城県警生活環境課と大河原署は4月15日、札幌市手稲区の道立高校3年の男子生徒(17歳)を著作権法違反の疑いで仙台地検に書類送検した。
男子生徒は、WinMXから入手したソフトを利用して海賊版を作成。ネット掲示板で希望者を募り、問い合わせのあったメールアドレス宛に約100種類のタイトル一覧や購入方法などを送付する方法で、1タイトル500~6,000円程度で海賊版を販売していた。
調べによると、男子生徒は昨年3月から12月末までの約10か月間で、のべ61人に対し219枚の海賊版を販売し、約40万円を売り上げていたという。
・インターネット掲示板を通じて海賊版販売、高校生を書類送検(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/news/news080416.html
■[LimeWire]ビジネスソフトの海賊版販売で東京都新宿区の男を逮捕
違法にコピーしたパソコンソフトを販売していたとして、北海道警生活経済課と手稲署は2月27日、東京都新宿区の会社員の男(38歳)を著作権法違反の疑いで逮捕した。
男は、Yahoo!オークションにビジネスソフトの正規品を出品し、格安なものが欲しい場合には問い合わせるよう記載。問い合わせのあったメールアドレスに返信する方法で、1タイトル約3,000円~1万5,000円程度で海賊版を販売していた。男は、昨年6月に摘発された海賊版屋からMac用のソフトを購入。Windows用のソフトはLimeWireから入手して海賊版を作成していたという。
・海賊版「連鎖」の実態が次々と明らかに ~1被疑者の販売先から3人目の逮捕者~(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/news/news080228.html
(2008/4/28 ネットセキュリティニュース)