経済産業省は16日、東京・秋葉原の殺傷事件で凶器として使われた「ダガーナイフ」の製造・販売・輸入の自粛を業者に要請した。警察庁も同日、販売業者に自粛を求めるよう全国の警察本部に通達を出した。
同事件の容疑者が福井市のショッピングモールで買い求め、犯行に用いたダガーナイフは、刃渡り約12cmの両刃の短剣。暮らしには役立たず凶器となりやすいナイフだが、銃刀法では刃渡り6cm以上の携帯を禁止しているものの、所持の禁止は15cm以上であるため、購入は規制されていない。
経産省は今回の要請で、ダガーナイフやその他の凶器として使われるおそれのある刃物を販売する際、身分証明書等により購入者の氏名、住所等を確認すること、使用目的の確認および記録の保存を業者に求めている。また、同省と警察庁は連携してダガーナイフの製造・販売・輸入の実態調査を行う。同省は業界団体に調査を依頼し、同庁は全国の警察本部に販売店の調査を指示した。来月末をめどに調査結果を取りまとめ、対策強化に役立てる。
13日には、「Yahoo!オークション」「Yahoo!ショッピング」を運営するヤフー(本社:東京都港区)がダガーナイフの取扱い全面禁止を発表している。これまでも銃刀法が禁じている物品のほか、「武器」にあたる物品を定義して取扱いを禁止してきたが、この対象範囲を拡大するという。対象範囲設定については、関連当局と専門家との意見交換を通して検討していくとしている。
ダガーナイフについては、容疑者がこれを購入した店が県内にあることに衝撃を受けた福井県知事が規制強化を警察庁に要望していた。また、刃物の生産地として知られる岐阜県関市の業界団体はダガーナイフの生産・販売・輸入の全面禁止を決定。京都府では青少年健全育成条例で18歳未満への販売を禁止している刃物類に指定するなど、規制の動きが広がっている。
(2008/06/19 ネットセキュリティニュース)
■「ダガーナイフ」の製造、販売及び輸入の自粛等について(関係業界への要請)(経産省)
http://www.meti.go.jp/press/20080616013/20080616013.html
■ダガーナイフ出品禁止のお知らせ(Yahoo!オークション)
http://auctions.yahoo.co.jp/phtml/auc/jp/notice/20080613.html