フィッシング対策協議会(事務局:東京都港区)は19日、今年1月から3月のフィッシングの動向をまとめた「4半期レポート(2008年1月-2008年3月)」を発表した。
発表によると、2008年第1四半期(1~3月)に報告があった国内のフィッシング件数は34件だった。過去2年間の同時期の報告件数をみると、2006年は53件、2007年は54件で、今年の報告件数は大きく減少していることがわかる。ただし、フィッシングメールやフィッシングサイトの報告先が同協議会だけではないため、実際のフィッシングの発生件数や被害件数が減少しているかどうかは不明。
同協議会は、報告件数は減少したものの、観測されたフィッシング事例は変化に富んでいたとして、「mixii」を称するサイトや、ゆうちょ銀行をかたるフィッシングサイトについて具体例をあげて紹介している。
1月には、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のmixiをかたる偽メールが出回った。偽メールはiが一文字多い「mixii運営事務局」を名乗り、mixiとそっくりのサイトへ誘導して個人情報を入力させようとした。 2月にはNTTドコモやISPのnifty、3月にはイーバンクやゆうちょ銀行をかたる偽メールと偽サイトが観測されている。
当編集部の調査では、上記のmixiをかたる例では、個人情報を入力させて出会い系サイトに登録させるという詐欺行為が行われていた。まず、紛らわしい「mixii」名でSNSへの招待メールが送られてくる。書かれているURLをクリックすると偽サイトに誘導され、そこで「完全無料」をうたう登録ボタンをクリックすると、利用規約などの手続きはとらず、いきなり会員登録されてしまう。登録後のメールの読み書きなどにはすべて料金が発生する。知らぬ間に料金が膨れ上がり、多額の請求に驚かされる被害例は、国民生活センターの報告(下記【関連記事】参照)に詳しい。
同協議会は、フィッシング詐欺の手口はさまざまな業種で応用されるとし、金融機関に限らず、十分な注意が必要と訴えている。
(2008/06/23 ネットセキュリティニュース)
■フィッシング対策協議会 4半期レポート(2008年1月-2008年3月)の掲載
http://www.antiphishing.jp/news/000071.html