2008年上半期、出会い系サイトに関係した事件の検挙数と被害児童数は減少したものの、出会い系サイト以外のサイトを利用して犯罪の被害にあった児童が388名に上り、出会い系サイトで被害にあった児童356名を上回ったことが警察のまとめでわかった。また、児童ポルノ事件が検挙数、被害児童数とも大きく増加し、過去最悪となったこともわかった。
警察庁によると、2008年上半期の出会い系サイト関連事件の検挙件数は777件で、昨年同期から14.3%減少。被害者数は40.7%減の420名で、そのうち児童(18歳未満の者)は、41.1%減の356名だった。また、被害児童の98.3%にあたる350名が、出会い系サイトへのアクセス手段として携帯電話を利用していた。
出会い系サイトで被害にあった児童は減少したものの、プロフ、SNS、ゲームサイトなど、出会い系サイト以外のサイトで犯罪被害にあった児童は388名に上り、出会い系サイトで被害にあった児童の数を上回っている。こうした傾向は、出会い系サイトへの規制の強化が背景にあるとみられる。
出会い系サイト規制法違反(不正誘引)による送検件数は、前年同期より120件多い159件。このうち児童によるものは、53件多い74件だった。
また、2008年上半期の児童ポルノ事件は前年同期比17.2%増の307件で、上半期の統計を取り始めた2000年以降の過去最悪。このうち36.1%にあたる111件が、インターネットにかかわるものだった。被害にあった児童の数は36.4%増の165名で、こちらも過去最多となっている。
児童ポルノ事件の事例としては、2007年9月に美容師男性(27歳)が、女子中学生が開設したホームページに同世代の女子生徒のふりをして「お金になる」と虚偽メールを送り、裸体を撮影した画像を送らせた事件等がある。
(2008/08/14 ネットセキュリティニュース)
■平成20年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf42.pdf
■少年非行等の概要(平成20年上半期)[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen38/syonenhikou_h20a.pdf