SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の大手mixiで、ユーザーが書いた日記の内容が問題となる騒動が相次いでいる。未成年アイドルとの飲酒やヲタク批判を書いた大手マンガ誌の契約社員は解雇となり、サイゼリアからピザ代金を騙し取ったことを自慢した高校生は集中的批判にさらされている。
■未成年アイドルと深夜に飲酒、ヲタクはマジきも~日記書いた契約社員解雇へ
10月1日、スクウェア・エニックスのマンガ誌『ヤングガンガン』編集部の契約社員として働き始めた青年は、mixiに書いた日記が原因で、月半ばに解雇の憂き目を見ることとなった。問題となった日記は、10月4日午前4時のタイムスタンプで、今日は自分の歓迎会で麻布にいるとし、未成年の女性タレントの名前をあげ、一緒に飲んでいると記した。また、女性アイドルの写真集サイン会で休日出勤したという13日付の日記では、集まったファンについて「ヲタクの巣窟」「マジきもくて鳥肌たった」などと書いた。この日はサイン会の様子やアイドルとのツーショット写真も掲載している。
これらの日記は大手掲示板等に転載され、嵐のような批判にさらされることとなった。明けて14日、青年が勤務するスクウェア・エニックスとヤングガンガン編集部は連名で「弊社編集部員による虚偽情報の流布についてのお詫び」という文書を会社ホームページに掲載。日記に書かれた内容は事実無根であるとした。次いで17日、22日にも社内調査結果の報告と追加報告を掲載し、未成年アイドルとの同席や飲酒は事実無根であることが繰り返された。17日付け文書では当該社員の解雇が報告されている。10月1日付で「今日からサラリーマン初日ゃ」と書いた彼の日記はすでに跡形もない。
・弊社元契約部員による虚偽情報の流布に関する社内調査結果の追加報告/弊社編集部員による虚偽情報の流布に関する社内調査結果の報告とお詫び[PDF](スクウェア・エニックス/ヤングガンガン編集部)
http://www.square-enix.co.jp/magazine/yg/owabi.pdf
■食べていないピザ代金をサイゼリアに不正請求~日記の主に批判集中
レストランチェーンの「サイゼリヤ」は、店で提供したピザから微量のメラミンが検出されたとして、このピザを食べた客に返金を開始している。不正申告が起きるのではと懸念されていたが、やはり起きてしまった。mixi日記でそれを自慢した高校生とみられる男性に「犯罪だ」という批判が集中している。
問題の日記は10月22日の深夜12時17分に書かれている。「ピザ食ってないのにピザ代金の返還を求め、サイゼいった」「3000円ほど稼がせていただいた」「4戦3勝」などと不正請求の成果を自慢する内容だ。これに対し、「3000円も稼いだとか すごいッ」「いいなぁ」「自分も稼ぎたいっす」など、賞賛し羨むコメントが朝までに十数本書き込まれた。
これらのテキストは大手掲示板に転載され、激しい批判にさらされることになった。23日現在、この日記はすでに消去され日記の主はmixiを退会している。
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ネットの書き込みは不特定多数の目に触れ、書かれた内容の真偽に関係なく(時には読者の誤解によっても)思いもしなかった反響を呼ぶことがある。とくにそれが違法性を伴うような場合には反響もひときわ大きく、関係者などまわりの人たちにも多大な影響を及ぼす。その結果、書いた本人が退学となったり職を失ったりする例は枚挙にいとまないほど(下記「関連記事」参照)。これら残念なケースの教訓に耳を傾けたい。
(2008/10/24 インターネットセキュリティニュース)