2006年度に神奈川県の県立高校に在籍していた全生徒約11万人の個人情報がファイル共有ソフトのWinny(ウィニー)を介して流出したおそれがある件について、神奈川県教育委員会と日本IBM((本社:東京都港区)は、ファイル共有ソフトのShare(シェア)のネットワーク上で約2000件分の流出を確認したと発表した。
神奈川県教委が11日、2006年度に県立高校に在籍していた全生徒、約11万人分の個人情報がWinnyを介して流出したおそれがあると公表していたことはすでにお伝えしているが、13日夕方、県教委および同県授業料徴収システム開発を担当した日本IBMが、Shareネットワーク上で約2000件分の流出を確認したと発表した。
流出が確認されたのは、2006年度在籍生徒約1400名分の口座番号や氏名、住所などと、約600名分の氏名、住所、電話番号などの個人情報。
日本IBMは、同社の業務委託先の社員が所有していたパソコンに、2006年度在籍生徒約11万人の個人情報が残存しており、当該パソコンがWinnyを介してウイルス感染したことを確認していた。その後、Winnyネットワーク上を監視していたが流出情報を確認できないでいたところ、県側からの情報で、Shareネットワーク上に約2000件の情報が流出していることを確認するに至った。Winnyから情報を入手した第三者が、Share上に公開したとみられている。
県教委は、2006年度に県立高校に在籍していた全ての生徒、保護者に対して書面で謝罪と事情説明を行う。今後の対応について警察に相談するとともに、口座変更の対応などについて金融機関に要請を行っていく。また、14日付で本件についての相談窓口の受付時間を延長し、平日、土日の午前9時から午後8時まで相談を受け付ける。日本IBMは、該当者に個別に連絡して謝罪を行う。また、17日付で本件に関する問合わせ窓口を開設した。
(2008/11/17 インターネットセキュリティニュース)
■神奈川県授業料徴収システムに係る個人情報の流出について(神奈川県)
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0811/039/index.html
■授業料徴収システムに係る個人情報について流出が確認されたことに伴い、相談窓口の受付時間を延長し、受付いたします 神奈川県(神奈川県教育委員会)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/ed_zaimu/ryushutu/osirase/index.html
■お客様情報流出に関するお詫びとお知らせ(日本IBM)
http://www-06.ibm.com/jp/press/2008/11/1303.html
■個人情報流出に関するお問い合わせ窓口開設のお知らせ(日本IBM)
http://www-06.ibm.com/jp/news/2008/11/1701.html