ファイル共有ソフトを介した情報流出が、また2件明らかになった。東京都立墨東病院からは患者情報などが、機械メーカーのキトーからは業務関連情報が、Winny(ウィニー)やShare(シェア)のネットワーク上に流出した。
■東京都立墨東病院の患者情報などがWinnyを介し流出
東京都病院経営本部は29日、都立墨東病院(東京都墨田区)の男性職員の私有パソコンから、同院の患者271名を含む640名分の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。
発表によると、流出したのは患者の氏名、年齢、性別、疾患名など271名分と、職員の氏名、住所、電話番号64名分、委託職員の氏名、会社名291名分、その他14名分の氏名とメールアドレス。
男性職員は昨年7月、同院の看護職員が所有するUSBメモリの破損データの修復を依頼され、患者情報が入ったデータを自宅のパソコンに移し作業を行った。男性職員は作業後にデータを削除しないまま、12月30日にウイルスに感染。パソコンにインストールされていたWinnyを介して、患者情報や自身が保存していた職員情報などが流出した。今月24日、ネット掲示板に流出情報が書き込まれ、25日に外部からの指摘を受けて発覚した。
墨東病院では、該当者に該当者の連絡し謝罪を行っており、病院経営本部は個人情報の職場外への持ち出し禁止、持ち出す場合の匿名化などを再度周知徹底するとともに、自宅などのパソコンについても、Winnyなどのファイル交換ソフトの使用を禁止するとしている。
・都立墨東病院における個人情報流出事故の発生について(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/01/20j1t600.htm
■キトーの業務関連情報がShareを介し流出
運搬用機械・器具を製造するキトー(山梨県昭和町)は30日、取引先の企業情報を含む業務関連ファイルがインターネット上に流出したと発表した。
流出したのは、同社の業務関連ファイル約1000件。うち1件が同社の法人取引先に関するリストで、複数の法人名、住所、電話番号などが記載されていたが、個人情報は含まれていないという。
26日明け方、昨年12月28日にウイルスに感染しShareを通じて流出したとみられる流出情報がネット掲示板に書き込まれており、その日の午後に山梨県警に匿名の情報提供が寄せられ、県警からの通報で発覚した。
同社では、流出情報の拡散防止に向けた作業を実施するとともに流出経路の解明を進めており、判明後は厳正に対処するとしている。また今後は、社内情報の取り扱いや社員教育を改めて徹底し再発防止に努めるとしている。
・当社企業情報の流出について[PDF](キトー)
http://www.kito.co.jp/topics/pdf/20090130.pdf
(2009/01/30 ネットセキュリティニュース)