NTTドコモは1月30日より、18歳未満のユーザーに対して有害サイトへのアクセスを制限する「フィルタリングサービス」の自動適用を開始した。
携帯電話、PHS事業者4社は2007年12月、今年4月1日から施行される「有害サイト規制法」(正式名称:青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)をうけて、親権者が不要と申し出ない限り未成年者の携帯にフィルタリングサービスを原則適用するとの方針を決定。2008年2月から、新規契約者に対して、契約者が18歳未満の場合と利用者が18歳未満と確認できた場合にフィルタリングサービスを適用してきた。
その後、既存の契約者に対してもフィルタリングサービスを原則適用するために、契約者および親権者の利用意思確認作業を行ってきたが、NTTドコモが先陣を切る形で1月30日よりフィルタリングサービスの自動適用を開始した。
今回、自動適用が開始されたのは、生年月日が1991年3月1日以降の1月から4月生まれの契約者。5月から8月生まれは2月6日、9月から12月生まれは2月13日より、それぞれ自動適用される。親権者がフィルタリングサービスの適用を不要と申し出た人には自動適用されない。
KDDIとソフトバンクも1月末までにフィルタリングサービスの利用意思確認期間を完了しており、KDDIは2月10日から順次、ソフトバンクは2月より順次、自動適用を行う予定だ。
フィルタリングで閲覧が制限されるのは、出会いサイトや掲示板、SNSなどのコミュニティサイトなどだが、現在ブラックリスト方式で閲覧不可になっているサイトのうち、EMA(モバイルコンテンツ審査運用監視機構)が認定したサイトについては閲覧可能となる。NTTドコモはすでに閲覧可能になっており、ソフトバンクモバイルとウィルコムは1月29日から閲覧可能となった。KDDIは2月3日から閲覧可能になる予定。
EMAは、昨年8月に「GREE」や「MySpaceモバイル」など5サイトを第1号の認定サイトとして発表し、1月30日には第7回の認定サイト発表を行った。今回の発表では大手SNSの「mixi」も認定され、これまでに認定されたサイトは計18サイトとなった。
EMAの認定は、運営管理体制を基準に照らして審査されており、いまのところ各コンテンツについての基準は設けていない。コミュニティサイトは、基本的に人との交流が行われる場であるため、EMAに認定されたサイトだからといって、トラブルに巻き込まれる心配が全くなくなるわけではない。
18歳未満のユーザーの保護者はフィルタリングサービスだけに頼るのではなく、自らの目で健全なサイトやコンテンツかどうかを確かめたり、子どもたちにネット上のルールやコミュニケーションのとり方、危険について教えていく必要がある。
(2009/02/02 ネットセキュリティニュース)
■アクセス制限サービスの自動適用について(NTT docomo)
http://www.nttdocomo.co.jp/service/site_access/access_limit/automatic_application.html
■青少年のお客さまに安心・安全に携帯電話をご利用いただくための取り組みについて(KDDI)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2009/0109/index.html
■フィルタリングサービス普及に向けた取り組みについて(ソフトバンクモバイル)
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20080912_01/index.html
■青少年のお客さまに安心・安全に電話をご利用いただくための取り組みについて(ウィルコム)
http://www.willcom-inc.com/ja/info/09012901.html
■モバイルコンテンツ審査運用監視機構(EMA)
http://ema.or.jp/ema.html