ウイルス感染によるファイル共有ソフトを介した情報流出は、しばしば当人の人生を大きく狂わす事態を招くことがある。情報流出によって職を追われた人も少なくないが、今回は流出情報を端緒に犯罪行為が発覚し、警察のお世話にならざるを得なくなった人も現れた。ウイルスのお手柄などとは言えないし、情報流出には気をつけようとも言えない複雑な事件だ。
■Winnyのウイルス感染で女子高生の盗撮画像流出、宮城県塩釜市の男を逮捕
宮城県警塩釜署は23日、女子高生のスカートの中を隠し撮りしたとして、同県塩釜市の会社員の男(39歳)を県迷惑防止条例違反容疑で逮捕した。
調べでは、容疑者は今月6日、仙台市宮城野区の100円ショップでデジタルカメラを使い、県内の女子高生のスカートの中を隠し撮りした疑い。容疑者のパソコンがウイルスに感染し、盗撮画像がWinnyのネットワークに流出し発覚した。
今月6日昼前、同日未明に感染・流出したとみられる流出情報がネット掲示板に書き込まれた。流出ファイルには、女子高生のスカートの中やトイレの盗撮画像が大量に含まれているとあり、たちまち話題に。流出者や撮影場所などが次々に特定され、県警をはじめ関係各所にFAXや電話が相次いだらしい。8日深夜には、本人と思われる人物が掲示板に現れ謝罪するとともに、9日中には刑事罰を受けに行くと記載。その後も、9日に塩釜署に行き事情聴取を受けたことや家宅捜索があったこと。後日刑罰を言い渡されることなども書き込まれた。
2007年11月には、日産自動車社員のパソコンから盗撮した女児の画像がShareを介して流出。今回と同様、掲示板で話題となり神奈川県警戸塚署に出頭した例もあるが、ウイルス感染による情報流出で犯罪行為が発覚し、警察のお世話になってしまうという人は、さすがに少ない。