警察庁は2月19日、2008年の出会い系サイトに関係した事件の検挙状況を発表した。検挙数は1592件で前年より9.2%減少した。また、昨年は1100人だった被害児童の数は724人に減少した。罪名別内訳では「出会い系サイト規正法」違反が昨年より大幅に増加しており、児童(18歳未満)側からの誘引が増加しているのが目を引く。
罪名別で最も多いのは「児童買春・児童ポルノ法違反」の601件で、全体の37.8%を占める。次いで「青少年保護育成条例違反」302件、「児童福祉法違反」72件と、児童が犯罪に巻き込まれる事件は全体の6割にのぼる。
「出会い系サイト規正法違反」は昨年の122件から367件へ3倍以上に増加し、そのうち児童による誘引は119件(前年より58件増)と約3分の1を占めた。事業者に対する是正命令はなかったが、法第10条(児童の利用の禁止の明示)または第11条(児童でないことの確認)の措置義務に違反している38サイトに対して警告を行ったという。
出会い系サイトに関わる事件の被害者数は852人で昨年より445人減少したが、被害児童は724人で全体の85%を占める。被害児童のうち720人(99.4%)が女子児童で、被害児童の98.7%が携帯電話から出会い系サイトにアクセスしていた。
一方で、統計のとり方は異なるものの、出会い系以外のサイトに関係した事件の被害児童数も792人にのぼる。この結果を受けて警察庁は、出会い系以外のサイトで児童被害が相当数発生しているサイト事業者に対し、自主規制を講じるように指導していくという。
出会い系サイトに対する規制が強化されるなかで、チャットやネット掲示板、ゲームサイトやなどを通じて児童が犯罪に巻き込まれるケースが頻発している実態がある。出会い系ではない一般サイトにも危険がつきまとうことを、保護者は十分に留意する必要がある。
(2009/03/02 ネットセキュリティニュース)
■平成20年中のいわゆる出会い系サイトに関連した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf45.pdf
■「出会い系サイト規制法」について(警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/deai/law/index.html