警察庁は2月20日、2008年の「少年非行等の概要」を公表した。少年(20歳未満)の検挙自体は減っている一方で、児童(18歳未満)ポルノ被害は6年連続増加、出会い系サイト規正法違反も大幅に増加している。また、ネット上の書込みから事件に発展するケースも目立った。
刑法犯少年の検挙人数は、前年比11.9%減の9万996人で10万人を下回った。成人を含めた刑法犯総検挙人数に占める少年の割合は26.8%で、1999年からの10年間で最も低い割合となった。
「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反事件による送検件数は1732件(前年比9.5%減)、送検人数は1272人(同6.5%減)。内訳をみると、児童買春事件の送検件数は1056件(21.6%減)、送検人数は860人(12.6%減)で、このうち出会い系サイトによるものが531件、428人と約半数を占める。被害児童数は851人(25.6%減)となっている。
また、児童ポルノ事件の送検件数は676件(19.2%増)、送検人数は412人(9.3%増)と増加。うちインターネットがらみの事件は254件、213人だった。被害児童数は351人(27.6%増)と、6年連続で増加した。
インターネットにかかわる事件としては、高校生が携帯電話のチケット売買サイトに虚偽の情報を掲示して金を詐取しようとした事件や、高校生等が出会い系サイトで男性を誘い出して脅迫し、現金を喝取した事件などがある。
また、高校生らがネット掲示板に爆破予告や殺害予告を書込み、学校や鉄道会社などの業務を妨害した威力業務妨害罪で検挙された事件、プロフの書込みをめぐるトラブルから被害者に暴行を加え、被害者に傷害を負わせたり死亡させる事件も起こっている。
(2009/03/03 ネットセキュリティニュース)
■少年非行等の概要(平成20年)[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen38/syonenhikou_h20.pdf
■平成20年中のいわゆる出会い系サイトに関連した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h20/pdf45.pdf