3月に入り、USBメモリーの紛失や盗難で、個人情報が流出する事故が相次いだ。ごく小さい中に大量の情報が収納できるUSBメモリーは、つい気軽に持ち運んでしまいがちだが、紛失した時の重大さを考え、取扱いには十分な注意を払いたいものだ。
■鳥取県、県営住宅入居者243世帯分の個人情報や家賃滞納記録を含むUSBメモリー紛失
鳥取県は16日、行政監察監建設事業評価室の職員が、県営住宅入居者243世帯分の個人情報を含むUSBメモリーを紛失したと発表した。
発表によると、11日に同職員が米子に出張した際、当該USBメモリーを入れたセカンドバッグを紛失。昼ごろに気づいて米子駅に届け出、同夕には米子警察署米子駅前派出所へ届け出たが、まだ発見されていない。USBメモリーに保存されていた個人情報の内容は、2007年3月時点の入居者(世帯主)の氏名、入居年月日、号室、家賃額。および滞納金管理状況の記録として、2006年3月から2007年3月までの間に滞納金があった入居者情報も含まれる。現時点では、個人情報が外部に流失したという情報はない。
県は13日夜から14日にかけて、該当する県営住宅入居者に対し、訪問によるお詫びと説明を行った。県外に転出している該当者には今後も継続して実施する予定だという。県では記録媒体の持ち出しを原則禁止とし、持ち出す場合には所属長の許可が必要としているが、十分に認識されていなかったとして研修等により改めて徹底する。県は本年度、情報政策課において「USBフラッシュメモリ取扱要領(案)」を作成し、運用開始に向け準備を進めてきたところだという。
・県営住宅入居者の個人情報が入ったUSBメモリの紛失について(鳥取県)
http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/A499FDD8BC26E1334925757B000BFDCE?OpenDocument
■山形大学生活協同組合、1万3807名分の個人情報含むUSBメモリー紛失
山形大学生活協同組合(山形県山形市)は13日、組合員などのべ1万3807名分の個人情報を記録したUSBメモリーを紛失したと発表した。発表によると、紛失は同学の理事宛てに郵送された匿名の手紙で判明した。USBメモリーの管理が甘く、紛失しても気がつかない実態があったという。
紛失した個人情報の内訳は、2002年から2005年まで5年間の卒業予定組合員9422名分、1998~2004年のレンタル布団利用者396名分、LPガス利用者(現在と過去)2489名分、売掛利用の教職員と生協職員974名分、仲介物件賃貸者335名分、2002年~2008年に勤務したパート職員187名分。情報内容は、氏名と入学・卒業予定年だけものから、氏名、住所、電話番号、生年月日、実家の住所や電話番号まで含むものまで対象によって異なる。
同組合は山形警察署に遺失物届けを提出したが、現在のところ回収には至っていない。いまのところ個人情報の二次的な被害については確認されていない。同組合は、今回の事態の最大の要因は、個人情報の取り扱いがずさんであったこととし、とくに作業後のデータを消去せず蓄積させていたことが被害拡大につながったとしている。同組合は対象者に、お詫びと流出した可能性のある個人情報の項目を郵送する。また。至急「個人情報保護基準」を策定し、再発防止対策を完了するとしている。
・個人情報が記録されたUSBメモリ紛失に関するお詫びとお知らせ(山形大学生活協同組合)
http://www.yamagata.u-coop.or.jp/
■ 君津中央病院、車上荒しで約1200名分の患者情報含むUSBメモリーとPC盗難
君津中央病院(千葉県木更津市)は5日、同院の男性臨床検査技師の自家用車が荒らされ、患者情報を含むUSBメモリとノートパソコンを盗まれたと発表した。
同院によると、同職員は3月4日の帰宅途中、午後6時から同8時過ぎまで車を同市内の飲食店駐車場にとめ、飲食。その後、車の窓ガラスが割られ、中にあったUSBメモリーとノートパソコン入りのバッグが盗まれていることに気付いたという。職員はただちに警察に通報し、被害届を提出した。USBメモリとパソコンには、主に婦人科の患者1200名分の氏名、生年月日、年齢、病名、病理診断の結果などの情報が含まれていた。
同院は患者に個別に連絡をとり、説明と謝罪を行うとしている。また、再発防止のため全職員に文書で注意喚起を行い、各部署で個人情報管理の総点検を行うとしている。
・個人情報を含むUSBメモリ及びノートパソコンの盗難による紛失について[PDF](君津中央病院)
http://www.hospital.kisarazu.chiba.jp/soumu/genkou20090305.pdf
■ 鳥取環境大学、同学や京大生ら368名の個人情報含むUSBメモリー紛失
鳥取環境大学(鳥取県鳥取市)は4日、同学環境情報学部情報システム学科の教員が、同学の学生や非常勤講師、および以前非常勤講師を務めていた京都大学の学生の個人情報が入ったUSBメモリを紛失したと発表した。
同学によると、この教員は2月13日、研究室のパソコンのデータをUSBメモリーにコピーして持ち帰り、翌14日の午後、私用による旅行先で紛失に気付いた。旅行先や所管の警察に遺失物の問い合わせを行ったが見つからず、自宅にもなかったため、メモリーを紛失したと判断したという。メモリーに保存されていた個人情報の内容は、同学の学生263名の氏名や学籍番号と、そのうち63名の成績データ、非常勤講師15名の氏名、所属と職名、メールアドレス、住所、電話番号。また、同教員が2007年に京都大学で非常勤講師として担当した学生90名の氏名、学生証番号、成績データも含まれていた。情報の外部流出は確認されていないという。
同学では、学生に説明と謝罪の電子メールを配信。4月のガイダンスでも説明と謝罪を行う。また、非常勤講師には説明と謝罪の文書を発送した。京都大学の学生には、京都大学から説明が行われるという。同学は再発防止のため、個人情報管理の徹底を図るとしている。
・学生等の個人情報を含むUSBメモリの紛失について(鳥取環境大学)
http://www.kankyo-u.ac.jp/information/latest/20090304/
(2009/03/18 ネットセキュリティニュース)