三菱UFJ証券(本社:東京都千代田区)は3月30日、顧客情報の一部が外部に流出した可能性があると公表していたが、今月8日、その後の社内調査で同社社員が情報を不正に持ち出し、名簿業者に売却していたことが判明したと発表した。
発表によると、同社のシステム部の部長代理だった社員が同社の顧客ほぼすべてに当たる148万6651名分を不正に取得して自宅に持ち帰り、そのうち4万9159名分を名簿業者3社に32万8000円で売却した。
売却されたのは、2008年10月3日から2009年1月23日までに新規口座あるいは投信ラップ口座(資産運用を証券会社に任せる富裕層向け口座)を開設した顧客の個人情報。これ以外の顧客情報143万7492名分はすでに回収され、流出していないことが確認されているという。
売却された4万9159名分の個人情報の内容は、顧客の氏名、住所、電話番号(自宅、携帯電話)、性別、生年月日、職業、年収区分、勤務先(名称、住所、電話番号、部署名、役職、業種)。
同社には3月中旬以降、同社に提出した連絡先に、無関係の不動産会社や投資会社から勧誘が入るようになったという顧客からの相談が22件、寄せられていた。同社は緊急対策本部を設置して社内調査を行い、上記詳細が判明した。同社は8日付けでこの社員を懲戒解雇し、刑事告訴する方針という。
同社は元社員から顧客情報を購入した名簿業者3社に事情を説明し、当該情報の使用や販売を中止する約束を取り付けた。すでに転売された個人情報についても、転売先に同様の約束を取り付ける対応を進めており、一部については使用中止と廃棄の約束を得たという。
同社は今後、警察の捜査に全面協力しつつ全容の解明と対応に努める。また、情報が流出した顧客のために電話による問合わせ窓口を設置し、名簿を使用した勧誘等があった場合は相談を寄せるよう呼びかけている。
(2009/04/09 ネットセキュリティニュース)
■お客さま情報の流出について[PDF](三菱UFJ証券)
http://www.sc.mufg.jp/company/press/pdf/press20090408.pdf
■お客さま情報の流出の可能性について[PDF](三菱UFJ証券)
http://www.sc.mufg.jp/company/press/pdf/press20090330_2.pdf