ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を介し、熊本県教育委員会の行政文書がネット上に流出した。また、Share(シェア)を介して情報を流出させた埼玉県警の巡査長と東広島市の公立小学校教諭、およびサーバーを介し1対1でファイルを交換するソフト「うたたね」を使用していた岡山県警の巡査部長が処分を受けた。
■熊本県教育委員会、行政文書流出
熊本県教育委員会は3日、2007年度と2008年度に行われた会議の報告書などの行政文書がネット上に流出したと発表した。文化課の男性職員(50歳)が自宅で使用しているパソコンからWinnyを介して流出したもので、2日に総務省から指摘を受けて発覚。行政文書のほかに、同窓会名簿など700名分の個人情報を含む職員の私的文書も流出した。県ではファイル共有ソフトの使用を禁止していた。また、公文書の外部への持ち出しも禁じていたが、職員は文書を自宅のパソコンあてにメールで送信して保存していた。
・熊本県
http://www.pref.kumamoto.jp/
■Share情報流出の巡査長と教諭処分、「うたたね」使用の巡査部長処分
埼玉県警は2月10日、Shareを介して県警同期生の名簿など1400ファイルを流出させた男性巡査長(29歳)を減給10分の1(3か月)の懲戒処分とした。巡査長は同日、依願退職した。同県警ではファイル共有ソフトの使用を禁じ、点検も行っていたが、巡査長は3度にわたってファイル共有ソフトを使用していないと虚偽の報告を行い、2008年11月、ウイルス感染によりファイルを流出させた。
・埼玉県警
http://www.police.pref.saitama.lg.jp/kenkei/
広島県教育委員会は3月30日、Shareを介して児童のテスト結果一覧など44名分の個人情報を流出させた東広島市内の公立小学校男性教諭(42歳)を減給10分の1の懲戒処分とした。個人情報を学校外に持ち出す際には校長の許可を得ることとなっていたが、教諭は許可を得ずにデータを外付けHDDに入れて自宅に持ち帰り、Shareがインストールされた自宅パソコンに接続。2月9日、ウイルス感染により情報がネット上に流出した。また教諭は、流出に関する調査の過程でShare使用について虚偽の報告をし、同ソフトを削除して証拠の隠滅を図っていた。
・教職員の懲戒処分等[PDF](広島県)
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/www/contents/1235960566689/files/210330kyoushokuin_shobun.pdf
岡山県警は3月27日、使用が禁止されているにもかかわらずファイル共有ソフトを使っていた赤磐署の巡査部長(56歳)を停職1か月の懲戒処分とした。巡査部長は同日、依願退職した。巡査部長は2006年5月から2007年6月まで私物パソコンで「うたたね」を使用。使用の事実を隠すため上司に虚偽の報告をしていたが、2008年8月、抜き打ち検査で使用が発覚した。パソコンには暴力団に関する捜査情報が保存されていたが、流出は確認されていない。
・岡山県警
http://www.pref.okayama.jp/kenkei/kenkei.htm
(2009/04/13 ネットセキュリティニュース)