ファイル共有ソフトを介した情報流出が3件、明らかとなった。プロパンガス会社からは顧客情報が、飲食店チェーン運営会社からは業務情報が、大牟田市消防本部からは個人情報を含む行政文書3000件が流出した。また、日銀松江支店の内部情報が流出した件で、松江市の元酒店に日銀側が数百万円の解決金を支払うとする補償交渉がまとまった。
■九酸ガス住設、業務委託先元従業員の私有PCから顧客情報流出
プロパンガス会社の九酸ガス住設(本社:福岡県飯塚市)は、同社の顧客情報がネット上に流出していたと発表した。同社によると、流出していたのは2008年12月の顧客情報のデータの一部。同社はこの時期に販売管理用コンピューターのハードとソフトの入れ替え作業を実施したが、ソフトの入れ替えを請け負った業者の元従業員(今年1月で退職)がデータを無断で自宅に持ち帰り、個人所有のパソコンで作業を実施。4月になって、ウイルス感染によりパソコン内にあった当該データがShare(シェア/シャレ)を介して流出した。同社は、該当する顧客に謝罪の文書を送付した。流出した情報の不正使用は確認されていないという。
・お客様の個人情報の流出に関するお詫び[PDF](九酸ガス住設)
http://www.kyusan.co.jp/gasJyusetsu/upload/jusetu.pdf
■ジェイプロジェクト、社員の私有PCから業務情報流出
居酒屋や和食店チェーンを運営するジェイプロジェクト(本社:名古屋市中区)は15日、同社の業務情報が社員の個人所有のパソコンから流出したと発表した。ウイルス感染により、Shareを介してネット上に流出したもの。同社によると、流出が判明したのは15日。流出した業務情報は特定できており、当該情報による二次被害は確認されていないという。同社は再発防止のため、情報管理の重要性について再教育し、個人のパソコンに会社に関連する情報が保存されていないことなどの調査を早急に進めるとしている。
・業務情報の流出について(ジェイプロジェクト)
http://www.jproject.jp/html/topics/2009/topics_090615_002.html
■大牟田市消防本部、個人情報を含む行政文書約3000件が流出
福岡県大牟田市は5月26日、同市消防本部の男性職員(46歳)の私用パソコンから、個人情報を含む行政文書約3000件がWinny(ウィニー)を介してネット上に流出したと発表した。市によると、流出していたのは1999年度から2005年度までの情報で、会社名と氏名を含む危険物取扱講習会受講者名簿1500件と、危険物施設立入検査報告書、許可書など危険物規制事務に関する行政文書。職員は2006年4月、これらの文書をUSBメモリーにコピーして持ち出していた。市では相談窓口を設けるとともに、全職員に対し情報資産の取扱いについて緊急点検を実施。再発防止のため、情報管理体制の強化に努めるとしている。
・個人情報を含む行政情報の漏えいについてのお詫びとお知らせ(大牟田市)
http://www.city.omuta.lg.jp/shoubou/honbu/oshirase/roueiowabi.html
■日銀松江支店の内部情報流出、破産した元酒店に日銀側が解決金
日本銀行松江支店(島根県松江市)の内部情報が2008年3月にWinnyを介してネット上に流出した問題で、流出した資料に破たん懸念先として実名が記されており、その後破産した松江市の元酒店に対し、日銀側が数百万円の解決金を支払うことで補償交渉がまとまったことがわかった。複数の報道によると、元酒店側は、情報流出後に取引を制限されるなどして資金繰りが悪化したとして、日銀側に補償を求めていたが、2008年10月に1億5000万円の負債を抱え破産。松江簡易裁判所に民事調停を申し立てていたが、4日、日銀側が数百万円の解決金を支払うことで補償交渉がまとまった。
・日本銀行
http://www.boj.or.jp/
(2009/06/18 ネットセキュリティニュース)