ファイル共有ソフトを介した情報流出が明らかとなった。NTTコミュニケーションズの顧客情報154件と、NTT西日本京都支店の顧客情報823件が、業務委託会社の元社員のパソコンから同時に流出。文科省では、職員のパソコンから業務情報などがWinny(ウィニー)を介して流出している。
■NTTコミュニケーションズ、業務委託先から顧客情報154件流出
電気通信事業等を行うNTTコミュニケーションズ(本社:東京都千代田区)は11月30日、マンションなど集合住宅向けにインターネット接続等を提供する「CoDen光サービス」(2008年3月にサービス終了)において、関西エリアの顧客情報154件がファイル共有ソフトのネットワーク上に流出したことを明らかにした。同社によると、関西エリアにある工事委託会社の元社員のパソコンから、工事調整にかかわるファイルが流出した。元社員の家族が9月にこのパソコンへファイル共有ソフトをインストールし、11月下旬、ウイルス感染により情報が流出。同時に、NTT西日本京都支店の顧客情報823件も流出している(下記参照)。NTTコミュニケーションズでは、この会社から11月26日夜に連絡を受け、流出を把握したという。
ファイルにはマンション等のオーナーの氏名、連絡先電話番号等が含まれていた。銀行口座番号やクレジットカード番号などの信用情報は含まれていないという。同社は、該当する顧客に個別に連絡を取り、謝罪と事情説明を行っている。
・お客さま情報の流出に関するお詫びとお知らせ(NTTコミュニケーションズ)
http://www.ntt.com/aboutus/information/info_20091130.html
■NTT西日本、業務再委託先から顧客情報823件流出
NTT西日本(西日本電信電話/本社:大阪市中央区)京都支店(京都市中京区)は11月30日、顧客情報823件がファイル共有ソフトのネットワーク上に流出したことを明らかにした。同支店によると、光ケーブル敷設に伴う事前調査業務を委託していたエヌ・ティ・ティ ネオメイトみやこ(現 株式会社NTT西日本-みやこ/京都市中京区)が、この業務を上記の関西エリアの会社に再委託。NTTコミュニケーションズの顧客情報とともに流出した。
流出したのは2005年6月から2006年6月までに行った調査に関する情報で、京都市や宇治市など5市3町の個人顧客448件、法人顧客375件の顧客名、住所、電話番号が含まれている。11月24日、NTT西日本が行った社内調査で流出が判明した。同支店では、該当する顧客に個別に連絡を取り、謝罪と事情説明を行っている。
・お客様情報の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](西日本電信電話京都支店)
http://www.ntt-west.co.jp/kyoto/newsrelease/h21/h211130/h211130.pdf
■文部科学省、職員のパソコンから業務情報流出
文部科学省の男性職員のパソコンから、同省の業務情報がWinnyのネットワーク上に流出していたことが分かった。ウイルス感染により流出したもの。複数の報道によると、流出したのは生涯学習関連の情報などで、他の職員の携帯電話番号も含まれている。ネット掲示板では11月21日から複数回、文科省生涯学習政策局関連の資料が、作成者名の入った私的文書とともに流出していると書き込まれていた。朝日新聞によると、同省では11月13日付でこの職員を厳重注意処分としている。
・文部科学省
http://www.mext.go.jp/
(2009/12/07 ネットセキュリティニュース)