消費者庁は17日、アップル社の有料音楽配信サイトiTunes Storeで多発している不正請求トラブルについて、同社の子会社でサイト運営を行っているiTunesに対し、公開質問状を出した。
本通信でも15日付で報じたが、昨秋からサイト利用者の間で心当たりのない請求を受けるトラブルが多発しており、各地の消費生活センターを通じて同庁に多くの相談事例が寄せられている。12日に注意喚起を行ったばかりだが、消費者への情報提供と必要な対策を講じるために、情報収集する必要があるとして、同庁は質問を列記した文書を関係者に手渡し、ホームページ上でも公開した。
公開質問状の内容は5項目で、アップルおよびiTunesが「トラブルについてどの程度把握しているのか」「トラブル原因についての考えと原因追究についての方針と今後の予定」「個人情報保護の取り組み」「利用者から不正請求トラブルの連絡を受けた際の対応」「利用者からの問い合わせに対する回答までの時間や電子メール以外の窓口設置予定の有無」を問いかけている。
これらの質問事項はユーザーの声を反映した内容だ。iTunes Storeでは購入時にIDとパスワード、クレジットカードの番号を登録しなくてはならない。これらの個人情報がなぜ漏えいしたのか、どのように不正利用されたのか、いずれも原因が明らかになっていない。そのため不正請求を受けていないユーザーの間でも不安が広がり、クレジットカード情報を削除してプリぺイド型のiTunes カード利用に切り替える例も少なくない。また、不正請求トラブルに直面したユーザーの間では、アップルおよびサイト運営社に対しての問い合わせ方法が電子メールのみで、回答までに時間がかかることに不満と不信が募っている。
質問への回答には期限が設けられていないが、同庁はアップル側に対し消費者保護のために必要な措置を講じることと速やかな回答を求めている。また、回答は消費者への情報提供の一環として公開する可能性があることも告知している。
(2010/02/18 ネットセキュリティニュース)
■音楽情報サイト運営事業者に対する照会について(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/100217adjustments_2.pdf