米アドビシステムズは5日(現地時間、以下同)、「セキュリティアドバイザリ」を公開し、Adobe Readerの最新版9.3.3およびそれ以前のバージョンに、新たな脆弱性が複数見つかったことを明らかにした。
同社は、16日の週(次週)にこれらの脆弱性を修正する定例外アップデートを公開する予定。脆弱性の危険度は、同社のランク付けで最も高いCriticalとされている。
公開されたアドバイザリや、同社のProduct Security Incident Response Team(PSIRT)のブログによると、脆弱性の影響を受けるのは、Adobe Reader/Acrobatの9.3.3以前と8.2.3以前。5日の時点で悪用は確認されていないという。
公開予定のパッチでは、7月28日にセキュリティカンファレンス「Black Hat USA 2010」で Charlie Miller氏が発表した脆弱性も修正される。
セキュリティベンダーの仏VUPEN securityとデンマークのSecuniaによると、Adobe Reader/AcrobatではTrueType Font(TTF)の処理に問題があり、「CoolType.dll」モジュール内で整数オーバーフローが発生。細工されたPDFファイルを開くと、任意のコードを実行されるおそれがある。VUPEN securityはこの脆弱性の危険度を4段階で最も高いCriticalとし、Secuniaでは、5段階中で上から2番目のHighly criticalとしている。
対策としてSecuniaは、信頼できないPDFファイルを開かないことを挙げている。
(2010/08/09 ネットセキュリティニュース)
■Security Advisory for Adobe Reader and Acrobat[英文](Adobe Systems)
http://www.adobe.com/support/security/bulletins/apsb10-17.html
■Prenotification: Out-of-band Security Updates for Adobe Reader and Acrobat[英文](Adobe PSIRT Blog)
http://blogs.adobe.com/psirt/2010/08/pre-notification-out-of-band-security-updates-for-adobe-reader-and-acrobat.html
■Secunia Advisory SA40766 Adobe Reader/Acrobat Font Parsing Integer Overflow Vulnerability[英文](Secunia)
http://secunia.com/advisories/40766
■Adobe Acrobat and Reader Font Parsing Integer Overflow Vulnerability[英文](VUPEN security)
http://www.vupen.com/english/advisories/2010/2004