クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を融通する「クレジットカード現金化」をめぐるトラブルの増加を受けて、消費者庁は1日から、クレジットカードを換金目的で利用することを止めるよう呼びかける「ストップ!クレジットカード現金化」キャンペーンを始めた。
国民生活センターによると、「クレジットカード現金化」に関する相談は、2005年度以降1032件寄せられており、今年度は10月末日までに282件と、昨年1年間の相談件数238件をすでに上回っている。相談件数は改正貸金業法の完全施行を経て増加しており、最近では別の取引の支払いの際に、業者から「クレジットカード現金化」を紹介されるケースも目立ってきているという。
「クレジットカード現金化」には、特定の商品を購入し、業者がそれを買い取る形で現金を渡す「買取方式」と呼ばれるものもあるが、現在主流なのは「キャッシュバック方式」と呼ばれるもの。この方式は、業者のホームページなどでキャッシュバック付の商品を購入させ、クレジットカード決済後に購入金額の7~8割の現金をキャッシュバックとして渡す。購入金額の2~3割が業者の儲けになるのだが、送られて来る商品は安価なアクセサリーやCD、情報商材といった価格に見合わないものばかりで、利用者はこれらを高い値段で購入し、カード会社への債務を負うことになる。一時的に現金を手に入れることができるが、結局はその金額よりも高額な支払いに追われることになり、支払いが困難な状況に陥ってしまう。
「クレジットカード現金化」は、クレジットカード会社との契約に違反する不正な利用であるため、カードが使えなくなる可能性があるほか、不正な利用方法であることを知りながら「クレジットカード現金化」を利用すれば、詐欺罪などが適用される可能性もある。
消費者庁では、特設サイトを設けるなどして注意を呼び掛けており、「クレジットカード現金化」を利用しようかと考えている人や、すでに利用して困っている人は、相談窓口に相談して専門家の力を借りるよう勧めている。相談は、最寄の相談窓口につながる消費者ホットライン「0570-064-370」へ。
(2010/12/03 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・「ストップ!クレジットカード現金化」キャンペーン特設サイト(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/credit/index.html
・クレジットカードのショッピング枠の「現金化」の誘いに注意(日本クレジット協会)
http://www.j-credit.or.jp/customer/attention/attention_05.html
・「クレジットカード現金化」をめぐるトラブルに注意!
-利用者自身も思わぬ大きなトラブルに巻き込まれるおそれが(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100407_2.html
・融資を得たいという目的での利用のほかに、紹介されて利用してしまうケースも(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20101201_1.html