消費者庁は、ネット上で販売されている健康食品などの虚偽・誇大表示について調査を行い、該当する175業者に対し健康食品302アイテムについて表示を適正にするよう要請していた。20日、その調査内容と要請結果について発表した。
■ネット上の健康食品の虚偽・誇大表示に対する調査
同庁は今年6~8月、ロボット型全文検索システムを用いた調査を行った。「がん(がん、癌)」「脳梗塞」「動脈硬化」「肝炎」「心臓病」など医師の診断や治療によらなければ治癒が期待できない疾病名や、「血中コレステロールを低下させる」「血糖値を下げる」「脂肪がつきにくい」「おなかの調子を整える」などの表現を検索キーワードとして無作為検索を行い、検出されたサイトを目視によって確認した。その結果、誤認を招くおそれのある表示をしている175業者の商品302アイテム見つかった。
■モール運営事業者を通じ適正化を要請
同庁は11月8日に、これら問題のある表示をしていた業者に対し、ショッピングモール運営事業者を通じて、当該表示を適正化するよう要請。改善がなされない場合は事業者名を公表する方針を示した。必要に応じて直接指導も行ったという。その結果、12月16日までに302アイテムすべての表示が改善されたことを確認した。
■後を絶たない虚偽・誇大表示
健康食品は法律で定義されたものではなく、健康の保持増進に役立つ食品として販売・利用されるもの全般を指している。「健康増進法」第32条の2で、健康の保持増進の効果などについて、著しく事実に相違したり、著しく誤認させるような広告をしてはならないとされているものの、虚偽・誇大表示は後を絶たない。
同庁の公表した「実際の表示例」をみると、カプセルや顆粒状・錠剤などのいわゆる健康食品のほか、生鮮食品(野菜、果実、豆・肉・魚・海藻類)や飲料、酒類、めん類、菓子類、食用油脂、調理食品など日常の飲食品も並んでいる。これらの食品に「血液をサラサラにし、高血圧、動脈硬化の予防に効果がある」かのような表示がなされ、販売されているのをネットで見かけた人は少なくないだろう。
利用するにあたっては、虚偽・誇大表示に惑わされないよう、適切な選択・判断をする必要がある。下に挙げた厚生労働省が発表した広告表示例や、国立健康・栄養研究所の「健康食品Q&A集」などを参考にしていただきたい。
(2010/12/24 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視結果について[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin463.pdf
・健康増進法上問題となるインターネット広告表示(例)[PDF](厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/dl/7f.pdf
・健康食品Q&A集(国立健康・栄養研究所)
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail696.html#qa6