内閣府は8日、「青少年のインターネット利用環境実態調査」を発表した。この調査は、2009年4月に施行された「青少年インターネット環境整備法」の実施状況をフォローする目的で、同年度より継続実施されている。
今年度は昨年9月、10歳から17歳までの青少年2000人、およびその同居の保護者2000人を対象に、調査員による個別面接方式で行われた。
■パソコン・携帯電話の利用率とネット利用率
携帯電話(PHS含む)所有率は、小学生20.9%、中学生49.3%、高校生97.1%。使われている携帯電話の種類をみると、子ども向け携帯電話を使っているのは小学生53.3%、中学生12%、高校生8.4%。スマートフォンの使用は、小学生ゼロ、中学生2.6%、高校生3.9%となる。パソコンの使用率は、小学生81.9%、中学生86.5%、高校生88%。
携帯電話所有者のインターネット(メール含む)利用率は、小学生で8割半ば、中高生はほとんど。パソコン使用者のネット利用率は、小学生7割台前半、中高校生は約9割となる。
■「フィルタリング機能」の利用率
青少年が有害サイトを閲覧できないようにする「フィルタリング機能」利用率は、携帯電話(インターネットが使えない機種・設定含む)では、小学生77.6%、中学生67.1%、高校生49.3%で、昨年度の調査結果と比べ、いずれも10ポイント以上増加している。
パソコンのフィルタリング利用率は、小学生28%、中学生33.5%、高校生27.%で、昨年度の調査結果と比較すると、小学生では約11ポイント減少しているが、中学生は約4ポイント、高校生は約6ポイント増加している。
■「ネットトラブル」経験と携帯電話フィルタリングの関係
子どもをめぐるネットトラブルや問題行動等として、以下のケースが設問されている。「チェーンメールが送られてきたことがある」「自分が知らない人や、お店などからメールが来たことがある」「チェーンメールを転送したことがある」「悪口やいやがらせのメールを送られたり、書き込みをされたことがある」「悪口やいやがらせのメールを送ったり、書き込みをしたことがある」「親に話しにくい変なサイトを見たことがある」「サイトにアクセスしてお金を請求され困ったことがある」「プライバシーを侵害したり、差別的な内容が掲載されているサイトにアクセスすることがある」「プロフなどに自分や他人の情報を書き込んだことがある」「プロフやゲームサイトで知り合った人とやりとりしたことがある」「プロフやゲームサイトで知り合った人と会ったことがある」「インターネットにのめりこんで勉強に集中できないことがある」「夜遅くまでインターネットにのめりこんで睡眠不足になることがある」。
これらの経験について、携帯電話フィルタリングの有無別にみると、フィルタリングを使っていない人は、使っている人より、全項目で多い結果だった。たとえば、「プロフやゲームサイトで知り合った人とやりとりしたことがある」という設問では、「フィルタリングの制限「あり」は6.1%、「なし」は11.8%。「夜遅くまでインターネットにのめりこんで睡眠不足になることがある」については、「あり」8.8%、「なし」16%などとなっている。
■保護者の管理(ペアレンタルコントロール)について
青少年のフィルタリング利用率は、保護者がフィルタリングの必要性について学習した経験があるかないかの影響が大きい。携帯電話のフィルタリング利用率は、「学んだことがある保護者」61%、「特に学んだことはない保護者」48.8%。パソコンのフィルタリングでは、前者が31.4%、後者が21.9%となっている。
また、子どものために必要な取組みについて保護者に尋ねた結果は、昨年度の調査と同様、1、2位は「有害サイトへの規制を強化する」62.9%、「家庭における取組を支援する」59%で、3位は「学校における”情報モラル教育”を充実させる」42.6%だった。
(2011/02/10 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:内閣府】
・青少年のインターネット利用環境実態調査(概要)[PDF]
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h22/net-jittai/pdf/kekka.pdf
・青少年のインターネット利用環境実態調査
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h22/net-jittai/pdf-index.html