ネット上ではしばしば、大規模な自然災害や有名人に関するニュースに便乗して、悪質な行為が行われる。スティーブ・ジョブズ氏の訃報も、詐欺行為に悪用されてしまった。
■ジョブズ氏死去に便乗するアフィリエイト
5日にAppleの創業者の一人、スティーブ・ジョブズ氏が死去したことを受け、このことに便乗するさまざまな詐欺行為が確認されている。Facebookでは、「ジョブズ氏をしのんでiPadを無料で提供する」として、リンクをクリックさせようとする行為が数パターン確認された。
セキュリティ対策企業のSophosが報告しているケースでは、リンクをクリックするとオンライン調査に回答するよう求めるページが開き、別のサイトへ誘導される。誘導先のサイトは、各国語に対応している。編集部でこのサイトを確認したところ、怪しい日本語で「あなたは今日の優勝です!賞品を選択してください」などと書かれており、「賞品」をクリックするとアンケート調査会社のサイトなどへ誘導される状態となっていた。
トレンドマイクロが報告しているケースでは、リンクをクリックすると、iPadを手に入れるための手続きと称して、Facebook上でリンクをシェアするよう要求するページが開く。指示に従いリンクをシェアしたユーザーは、「すでに配布は終了した。別の商品を紹介する」と書かれた広告サイトへ誘導される。
どちらのケースでも、攻撃者は、クリック数に応じて広告主から支払われるアフィリエイト収入を得ようとして、こうした行為を行っていると思われる。
ジョブズ氏の訃報を悪用する行為としてはこのほか、悪質なサイトへ誘導しようとする迷惑メールも確認されている。またF-Secureでは、6日の時点で、Googleで「Steve Jobs funeral(スティーブ・ジョブズ 葬式)」と検索すると、最初のページに詐欺サイトが表示される状態となっていたことを報告している。
(2011/10/11 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・Steve Jobs death exploited by Facebook scammers[英文](Sophos)
http://nakedsecurity.sophos.com/2011/10/06/steve-jobs-death-facebook-scam/
・スティーブ・ジョブズ氏死去報道に便乗した詐欺、Facebook上で確認(Trend Micro Security Blog)
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/4532
・さようなら、スティーブ・ジョブズ(エフセキュアブログ)
http://blog.f-secure.jp/archives/50631591.html