「お金をあげたい」などといったメールから有料の出会い系サイトなどに誘導され、相手の巧妙な言葉を信じてやり取りするうちに高額な利用料を支払ってしまったという相談が高齢者からも寄せられているとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。
同センターが10月28日に公開した情報によると、70歳代のある男性は、パソコンの出会い系サイトで「7500万円の遺産を渡したい」と言ってきた相手を信用。メールをやり取りしているうちに、サイトの利用料金が50万円を超えた。困った家族から、やめるように説得しても聞き入れないとセンターに相談があった。
また、80歳代の男性からは、「1200万円をあげる」というメールが目にとまり、やりとりしているうちにポイント代として200万円を支払ってしまったが、詐欺ではないかという相談が寄せられた。
こうしたケースでは多くの場合、まずサイト上でポイントを購入し、メールを読む、送るといった操作のたびにそのポイントを使う仕組みとなっている。相手は、お金を渡すためなど様々な口実でメールを続けるよう促すため、気づいた時には多額の費用をつぎ込んでいたということになりがちだ。かかった費用を回収したいとの心理が働き、何とかしてお金をもらおうと、さらにメールのやりとりを重ねてしまうこともある。
メール相手が出会い系サイトの「サクラ」であることも考えられるが、証明するのは難しく、お金を取り戻すことは困難だ。国民生活センターでは、うまい話には注意し、ネット上の見知らぬ相手を簡単に信用しないことが大切だとアドバイスしている。また、心配なときは、最寄りの消費生活センター等に相談するよう呼びかけている。
家族がこうした被害にあうのが心配な場合は、迷惑メール対策ソフトやサービスの利用、およびフィルタリングソフトの利用をおすすめする。スパムが届かないようにし、望ましくないサイトにアクセスできないようにすることで、被害を未然に防ごうという対策だ。
フィルタリングソフトというと子供を対象にしたものと思いがちだが、お金と時間に余裕があり、被害が大きくなるおそれもあるシニア世代を守るためにも、役立つ。フィルタリングをかけた上で、閲覧できないサイトがあると言われたときには、どんなサイトを見ようとしているのかをチェックして対処しよう。離れて暮らしている場合は、リモート管理ができる製品を利用するといいだろう。
また離れて暮らしている場合、メールについては、メールアカウントをこちらで管理して、メールサーバー側のスパムフィルタを通すように設定するとよい。参考までに、日本インターネットプロバイダー協会が紹介している「各プロバイダーの迷惑メール対応一覧」を下記に紹介しておく。たとえばSo-netでは、「迷惑メール振り分けサービス」を無料で提供している。
(2011/11/15 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・高齢者も被害!出会い系サイトの「お金をあげる」はウソ!?
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen122.html
・見守り新鮮情報第122号[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/pdf/shinsen122.pdf
・悪質な「有料メール交換サイト」にご注意!-「会いたい」「悩みを聞いて」「お金をあげる」というメールを安易に信用しないで!-[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100901_4.pdf
・全国の消費生活センター等
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html
【関連URL】
・「各プロバイダーの迷惑メール対応一覧」(日本インターネットプロバイダー協会)
http://www.jaipa.or.jp/UCE/providerlist.html