青少年のインターネット利用に関連する調査が、10月末から今月初めにかけ相次いで公開されている。今回は、内閣府が10月31日に公開した「平成23年度 青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」から、一部をご紹介したい。
この調査は、2009年4月に施行された「青少年インターネット環境整備法」の実施状況をフォローアップするために必要な基礎データを得ることを目的として実施されているもので、2009年度、2010年度に引き続き 3回目の調査となる。対象は、満10歳から満17歳までの青少年3000人と同居の保護者3000人で、有効回収数は青少年1969人、保護者2037人。6月に、個別面接方式で調査が行われた。
■小学生で20.3%、高校生で95.6%が携帯電話を所有
携帯電話の所有率は、小学生20.3%、中学生47.8%、高校生95.6%だった。所有者のうち、小学生の7割半ば、中学生と高校生のほとんどが、携帯電話でインターネットを利用している。所有する携帯電話のうちスマートフォンは、小学生ではゼロ、中学生5.4%、高校生7.2%だった。パソコンの使用率は、小学生81.9%、中学生85.0%、高校生87.7%。パソコン使用者のうち、小学生で約7割、中学生で8割台前半、高校生で約9割がパソコンでインターネットを利用していた。
■「プロフやゲームサイトで知り合った人とのやりとり」は9.5%が経験
ネットを利用している青少年に、「悪口やいやがらせのメールを送られたり、書き込みをされたことがある」「サイトにアクセスしてお金を請求され困ったことがある」「インターネットにのめりこんで勉強に集中できないことがある」など、トラブルや問題行動と関連する行為を13項目示し、自分にあてはまるかどうかをたずねたところ、小学生8.9%、中学生38.9%、高校生59.5%が、あてはまるものがあると回答した。最も多かったのは「チェーンメールが送られてきたことがある」(27.8%)。次いで「プロフやゲームサイトで知り合った人とやりとりしたことがある」(9.5%)となっている。
■携帯電話のフィルタリング利用率、高校生では49.7%
携帯電話のフィルタリング利用率は、小学生76.5%、中学生69.6%、高校生49.7%で、昨年度の調査結果から大きな増減は見られなかった。携帯電話でフィルタリングを利用しない理由について保護者にたずねたところ、「子どもを信用している」(40.0%)が最も多く、次いで「特に必要を感じない」(33.0%)。「子どもからつけないでと頼まれた」は10.4%だった。パソコンのフィルタリング利用率は、小学生28.6%、中学生32.7%、高校生26.4%で、こちらも昨年度の調査結果と大きな違いは見られない。
パソコンでフィルタリングを利用しない理由について保護者にたずねたところ、「親がいるところで使っているので必要ない」(41.6%)「家族で使っているのでそこまで考えなかった」(39.0%)が多かった。
■保護者は「名前や住所を安易に書き込む」ことを最も心配
回答したすべての保護者に対し、子どもがインターネットを使うことに関して心配なことがあるかを聞いたところ、「名前や住所を安易に書き込んでしまうこと」(46.1%)、「暴力的な内容、性的な内容、反社会的な内容を含むサイトにアクセスすること」(41.1%)の2項目が、4割台と多かった。次いで「目を悪くするなど健康を害すること」(38.2%)、「インターネットからの情報を鵜呑みにすること」(37.4%)、「インターネットを利用する時間が長時間になること」(37.3%)が多い。一方、「心配なことはない」は14.0%だった。
(2011/11/16 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:内閣府】
・青少年のインターネット利用環境実態調査報告書(全文)
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h23/net-jittai/pdf-index.html