インターネットオークションを悪用して英会話教材の海賊版を販売していた東京都の男性が、著作権法違反(海賊版頒布)容疑で逮捕された。この海賊版教材は少なくとも90名が購入していることがわかっている。うっかり違法行為にかかわってしまうことがないよう、海賊版購入のリスクを知っておきたい。
■海賊版のワナ~正規価格より大幅に安い値段で販売
京都府警生活経済課と伏見署は10日、インターネットオークションを悪用し、権利者に無断で複製した外国語会話教材を販売していた東京都立川市の無職男性(40歳)を、著作権法違反(海賊版頒布)の疑いで逮捕した。
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)によると、男性は2010年11月20日頃、エスプリラインが著作権を持つ「スピードラーニング英語(全48巻)」(正規品価格16万1280円)が記録された携帯型デジタル音楽プレイヤー3台を、兵庫県姫路市の女性ら3名に対し、計5万9500円で販売した疑いがもたれている。警察の調べによると、男性は2010年11月だけでも、90名に対し同様の携帯型デジタル音楽プレイヤー90台を販売し、約200万円を売り上げていたとみられている。
■ネットオークションで海賊版を購入する3つのリスクとは
前記のように、販売にネットオークションが使われ、少なくとも90名がこれを購入していた。ACCSは、資料「これって違法?~海賊版の見分け方」の中で、ネットオークションで海賊版を購入することによるリスクを3つ挙げている。
(1)個人情報を悪用されるリスク:購入により、住所や電話番号などを出品者に提供することになる。海賊版の販売には、暴力団などの犯罪組織が関与している場合もある。
(2)著作権侵害に関するリスク:出品者が刑事摘発された場合、購入者も捜査対象となることがある。違法であると知りながら購入した海賊版を業務で使用することは著作権侵害となり、刑事罰や損害賠償請求などの対象になる。海賊版の業務使用による摘発事例については、下記を参照されたい。
・海賊版ビジネスソフトの業務使用で会社経営者と法人を送致(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2011/1037.php
・海賊版の業務使用で全国初、代表取締役男性と法人を送致(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2010/1026.php
(3)ソフトウェアの使用に関するリスク:正常にインストールできる保証がない。メーカーのユーザーサポートを利用できない。アップグレードもできない。ウイルスが混入していることもある。
海賊版であることを知らずにソフトウェア等を購入してしまった場合の対処法については、下欄に挙げたACCSの資料、および政府模倣品・海賊版対策総合窓口が公開している資料をご覧いただきたい。
(2012/01/13 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・教材をコピーした携帯型デジタル音楽プレイヤーを販売、男性を逮捕(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/criminal/2011/1169.php
・これって違法?~海賊版の見分け方(ACCS)
http://www.ihokamo.net/copyright_pirate.html
・こんな被害にはこんな対策を!「相談案件事例集」~海賊版を落札(政府模倣品・海賊版対策総合窓口)
http://www.meti.go.jp/policy/ipr/soudanjirei/kaizoku.html