消費者から国民生活センターへ寄せられる相談のなかで、スマートフォンに関連したトラブル相談が増えている。なかでも、インターネットにアクセスし、知らない間にアダルトサイトなどの悪質サイトへ誘導され料金請求を受けたという相談が急増していることがわかった。
国民生活センターは、2012年4月から昨年末までの相談件数を相談種別ごとにまとめ、発表した。インターネット関連の相談をみると、最も多かったのは「インターネット通販」11万4262件(前年同期12万2275件)、次いで「アダルト情報サイト」4万2492件(前年同期7万130件)、「出会い系サイト」1万4914件(前年同期1万7265)、「スマートフォンを利用したデジタルコンテンツ」1万1673件(前年同期2209件)、「スマートフォンそのもの」5043件(前年同期2658件)などとなっている。
注目されるのは「スマートフォンを利用したデジタルコンテンツ」に関する相談で、他の相談が減少または微増であるなか、前年同期の2209件から5倍以上に急増している。
■悪質有料サイトに誘導され料金請求されるケースが頻発
「スマートフォンを利用したデジタルコンテンツ」に関する相談とは、スマートフォンの通話料・パケット料、機器や通信サービスの品質などに関する相談とは別枠で、スマートフォンを利用した有料サイトからの料金請求などに関する相談を指している。
最近の事例をみると、「スマートフォンで無料のアダルトサイトにアクセスし年齢を入力したら登録になり、料金請求画面が出た」「スマートフォンで無料アダルトサイトに入り、高額な料金請求画面が表示された」「スマートフォンで芸能人サイトを検索し、画像を見ようとして年齢確認画面で『ハイ』をクリックしたら、有料アダルトサイトに登録となり料金請求画面が現れた」「以前から迷惑メールがたくさん来ていたが、メールの中に『無料でサイトの配信を停止します』というものがあったのでクリックしたら、サイトの登録料を請求された」「スマートフォンに身に覚えのない請求メールが届いた。法的手段を取ると書かれている」などといった訴えが寄せられている。
スマートフォンユーザーに、パソコンユーザーと同じ「ワンクリック請求」などの被害が多発していることがうかがえる。国民生活センターは、トラブルに巻き込まれないためのアドバイスとして、興味本位でのアクセスはやめ、安易に「はい」をクリックしないこと、意図せずアクセスしてしまい、利用料金の請求を受けた場合は支払う前に最寄りの消費生活センターへ相談するよう勧めている。
(2013/02/06 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・各種相談の件数や傾向(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/index.html
・あわてないで!! クリックしただけで、いきなり料金請求する手口(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/click.html
・スマートフォンのセキュリティ<危険回避>対策のしおり[PDF](IPA)
https://www.ipa.go.jp/security/antivirus/documents/08_smartphone.pdf