警察庁は2日、一般からの通報を受けてインターネット上の違法情報や有害情報に対応するインターネット・ホットラインセンターの2012年の運用状況等を発表した。通報件数は過去最高で、同センター経由で警察に通報された違法情報のうち3303件が検挙され、これも過去最高となった。
同センターは警察庁からの委託事業で、一般から受け付けた通報への対応をしている。受け付けた通報は、「違法情報」「有害情報」「その他の情報」に分類し、内容に応じて、削除、警察への通報、サイト管理者への削除依頼、関係機関や団体への通報などを行う。海外案件は、国際的なホットライン相互間の連絡組織であるINHOPEへ通報する。
2012年中に同センターが受理した一般からの通報件数は19万6474件(前年比で2万220件増)で、そこに含まれる情報件数は20万1795件(同1万9038件増)を数え、いずれも過去最高となった。海外案件は1万2664件あり、うち1320件がINHOPEに通報された。
■違法情報の削除対応は9割、有害情報は8割に向上
20万1795件の情報を分析した結果、違法情報は3万8933件(同2360件増)、有害情報は1万2003件(同7176件増)、その他の情報は15万859件(同9502件増)だった。サイト管理者等へ削除依頼がなされた違法情報は1万7503件、有害情報は7738件あり、このうち違法情報は90.7%にあたる1万5872件、有害情報は79.7%にあたる6167件が実際に削除されている。2011年度は、違法情報63.9%(1万4924件を依頼して9543件削除)、夕拝情報49.7%(913件を依頼して447件削除)という成果だったことを振り返ると、大幅に向上したことがわかる。
■警察に通報された違法情報のうち3303件が検挙へ
警察へ通報された違法情報は2万5442件あり、このうち3303件が検挙されている。前年比で1704件増加しており、これも過去最高となった。同庁は、「全国協働捜査方式」の定着が効を奏したとしている。2012年4月から有害情報も捜査対象に加わり、123件の有害情報が警察に通報されたが、うち7件が検挙されている。
違法情報の内容を見ると、検挙数が最も多いのは「わいせつ物公然陳列」の1万6755件で、前年比で3384件も増加した。次いで覚せい剤等の濫用をあおる行為や規制薬物の広告などを含む「薬物」の4541件(前年比で2104件減少)、預貯金通帳等の譲渡などを誘う「口座」1523件(同755件増加)、「児童ポルノ公然陳列」1308件(同580件減少)と続く。
同庁は今後も同センターの業務効率化を図り、インターネット上の違法・有害情報対策を推進するとしている。
(2013/05/09 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・平成24年中の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況等について
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h24/pdf03.pdf
・平成23年中の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況等について
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h23/pdf03.pdf