オンラインゲームやコミュニティサイトで、不正アクセス禁止法違反容疑で摘発される10代の少年少女が急増している。動機は他人のアイテム欲しさで、違法認識は薄いという。警視庁サイバー犯罪対策課は夏休み前の7月中旬、小中学生にインターネットの正しい使い方を指導するよう東京都教育庁に要請した。
国家公安委員会他が今年3月に公表した資料(下欄参照)によると、昨年中に不正アクセス禁止法違反で検挙された154人のうち、64人が10代の少年少女だった。2008年~2010年までは10代が他を圧して多いという現象はみられなかったが、一昨年から10代が急増し、昨年は次位の20代(34人)を2倍近く引き離して最多となった。検挙された10代64人のうち、最年少は14歳である。
10代の不正アクセス事件が急伸した理由は、不正アクセス行為の「動機」にみてとれる。一昨年は「不正に経済的利益を得るため」が最も多かったが、昨年は「オンラインゲームやコミュニティサイトで不正操作を行うため」が最多だった。「他人のアイテムが欲しい」という短絡的動機で、不正アクセスに手を出してしまう子どもたちが多いのだ。
最近の例では今月16日、会員制交流サイト「アメーバピグ」で、他人のアカウントを使って不正アクセスした小学6年の女子児童が警視庁に補導され、児童相談所へ通告された。児童は同サイトで知り合った男子中学生に「仮想通貨をあげる」と言ってIDとパスワードを聞き出したという。児童は同様の手口で多数の人からアカウントを聞き出し、不正アクセスを繰り返して仮想通貨などを盗んだ疑いがもたれている。
警視庁サイバー犯罪対策課によれば、そうした少年少女は、アイテムを奪うための不正アクセスが「法律にふれる犯罪行為であるという認識」が希薄だという。同課から指導の要請を受けた東京都教育庁は、ITの専門家を学校に派遣して指導を強化する。
(2013/07/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況[PDF](国家公安委員会 総務大臣 経済産業大臣)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h24/pdf041.pdf
・オンラインゲームでのトラブル(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/hikids/hikids11.htm#on
・ご注意ください※IDのっとりは不正アクセスという犯罪です! (アメーバピグ スタッフブログ)
http://ameblo.jp/pigg-staff/entry-11075289295.html