Android端末が急速に普及する中、不正アプリやウイルスも世界中に蔓延している。マカフィーは公式ブログで、感染被害の多い国はどこか、また、どんな脅威がどの国で広まっているかをレポートしている。
■詐欺アプリの餌食になっている国「ワースト5」
レポートがまず取り上げているのは、詐欺アプリへの感染状況だ。同社が検出したAndroidの脅威サンプルにおいては、「正規のアプリケーションを偽装する」「感染した端末から情報を盗み取る」「勝手にプレミアムSMSメッセージ(情報料が課金されるSMSサービス)を送信する」「感染した端末からルート権限の奪取を試みる」「不正なアドウェアを表示する」といった詐欺アプリが、月ごとのトップ10に含まれているという。
今年1月には100か国以上のユーザーがこうした詐欺アプリに感染しており、以降、被害が発見された国は増え続けている。国ごとの感染数を見ると、毎月変化する可能性はあるものの、被害が多い上位国はほぼ決まっている。1月から4月までの各月で、ワースト5は以下の通りだった。(1位から順に記載)
1月:ロシア、インド、中国、米国、日本
2月:中国、インド、ロシア、米国、ドイツ
3月:ロシア、インド、スペイン、トルコ、中国
4月:ロシア、台湾、米国、スペイン、インド
■Androidマルウェアが蔓延している国は
Androidマルウェアについて見ると、最も古株のウイルスの1つでありながら、依然として勢いが衰えないマルウェアファミリーの「FakeInstaller」は、ロシアをはじめとする旧ソ連共和国で蔓延している。また、トロイの木馬化されたアプリケーションとして感染し、機密情報を盗み取る「GinMaster」ファミリーは、中国で猛威をふるっている。その他のマルウェアとして、「FakeRun」や「AdwoLeaker」などのアドウェアモジュールは、米国、インド、そして日本でも、多くの感染が確認されている。
■被害者からお金を巻き上げるマルウェア
壁紙アプリやバッテリーセーバーアプリのように見せかけて被害者からお金を巻き上げるアプリは、米国、スペイン、英国、シンガポール、中国、香港、日本、台湾で目立っているという。
勝手にプレミアムSMSメッセージを送信するマルウェアもあるが、日本からは利用できない海外のサービスを悪用しているものなので、日本のAndroidユーザーがこの被害にあうことはないと思われる。ただし、こうしたマルウェアは情報を盗み取る仕組みを備えていることもあるため、感染には注意していただきたい。
(2013/09/10 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:マカフィー】
・最も標的になりやすい国は? 蔓延するAndroidに対する脅威
http://www.mcafee.com/japan/security/mcafee_labs/blog/content.asp?id=1372
・Variety of Android Threats Extends Around the World[英文]
http://blogs.mcafee.com/mcafee-labs/variety-of-android-threats-extends-around-the-world