警察庁は9月26日、今年上半期のサイバー犯罪の検挙状況を発表した。罪名別割合で最も多いのは「不正アクセス禁止法違反」の817件で、すでに昨年1年間の検挙件数を大幅に上回った。相談件数で最も多いのは「詐欺・悪質商法」の1万5615件で、有料サイトの架空請求に注意していただきたい。
今年上半期(1~6月)のサイバー犯罪の検挙件数は4093件で、前年同期比で825件(25.2%)の増加となった。罪名別割合で最多の「不正アクセス禁止法違反」は、昨年1年間の検挙件数543件を、すでに274件も上回っている。以下、「児童ポルノ」510件、「詐欺」427件、「著作権法違反」419件、「わいせつ物頒布等」316件と続く。
うち詐欺は前年同期を26件(6.5%)、著作権法違反は190件(83%)上回っている。詐欺の検挙例では今年1月、出会い系サイトでサクラを使って利用料金をだまし取っていたサイト運営者が検挙されている。著作権法違反の検挙例では今年2月、ファイル共有ソフト等を利用して著作物を不特定多数に配信していた27名について、全国47都道府県警察が一斉集中取締り、一斉検挙している。
●相談の最多は「詐欺・悪質商法」~有料サイト名目の架空請求に注意
都道府県警察の相談窓口で受付けたサイバー犯罪等に関する相談は、今年上半期で3万9392件あり、前年同期比で242件(0.6%)の増加となった。
最も多いのは、「詐欺・悪質商法」1万5615件、次いで「迷惑メール」5794件、「名誉毀損・誹謗中傷等」4717件、「オークション」2784件、「不正アクセス等・ウイルス」2756件の順。詐欺・悪質商法の相談では、無料表示のアダルトサイトを閲覧していて高額料金を請求された、利用した覚えのないサイトの利用料として高額な料金を請求されたという相談例が紹介されている。
警察庁が10月1日に発表した「特殊詐欺の認知・検挙状況」をみると、「有料サイト利用料金等名目」の架空請求詐欺が急増している。今年1~7月までは16~43件で推移していたものが、8月には95件に跳ね上がった。身に覚えがない請求が来たら、業者に連絡したり支払いに応じたりする前に、都道府県警察に相談していただきたい。
(2013/10/08 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・平成25年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について[PDF]
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h25/pdf01-1.pdf
・特殊詐欺の認知・検挙状況等について(平成25年8月)[PDF]
http://www.npa.go.jp/sousa/souni/hurikomesagi_toukei.pdf