ネットショップで購入した商品が届かない、偽物が届いたといった被害が急増していることを受け、関係機関が注意を呼び掛けている。警察庁は今月24日より、こうした通販詐欺サイトを事前に警告できるよう、セキュリティ関連会社10社にURL情報を提供する取り組みを開始する。
■ブランド品から日用雑貨まで、林立する通販詐欺サイト
国内のユーザーを狙った日本語の通販詐欺サイトは、昨秋から有名ブランド品を激安で販売するものが、今夏からは、日用品や台所用品、釣り具、自転車など、ありとあらゆるジャンルの商品を扱うものが大量に開設された。ネットで少しでも安く販売しているショップを見つけようとした利用者や、他店で売り切れてしまった商品を探していた利用者などが、次々とこれら詐欺サイトの被害にあってしまったようだ。 日本通信販売協会が先月13日に公開した資料によると、同協会が運営する「通販110番」に、今年9月末までに寄せられた本年度のネット通販詐欺サイトに関する相談件数は、前年度同期の6.8倍にあたる4,309件だったという。被害の多くが、銀行振込による前払いを要求されており、「注文時にクレジットカードでの支払いを指定した後に、業者の何らかの都合により銀行振込を促された」「振込先口座名が外国の個人名」という特徴が見られたという。 国民生活センターが今月19日に発表した資料によると、全国の消費生活センターなどに寄せられた、本年度の前払いによるネット通販トラブルは、前年度同期の6.1倍にあたる4,165件。前払いを除いたネット通販全体の相談件数の増加1.7倍であるのに対し、著しい増加を示しており、同センターは、個人名義の銀行口座への前払いはしないよう注意を呼びかけている。
■詐欺サイトのブロックを全国規模で
こうした通販詐欺サイトのほとんどは、ショッピングモール内ではなく単独のショッピングサイトとして開設されており、捜査の手が及びにくい海外のサーバーを使って運営されている。詐欺サイトであることが分かっても、サイト閉鎖に時間を要することも多いため、大阪府警では、今春から独自にセキュリティ会社と連携し、サイトをブロックする対策を推進して来た。詐欺と判定したサイトの情報をセキュリティ会社に提供し、ユーザーがアクセスしようとした際に各社のウイルス対策ソフトが警告するようにしたのだ。 警察庁は19日、この取り組みを全国規模で行うと発表した。各都道府県警が受けた相談や被害届、消費者庁に寄せられた情報、ブランドメーカーから事業者団体を通じて寄せられた情報を警察庁に集約し、今月24日より、ウイルス対策ソフト事業者8社とフィルタリング事業者2社に詐欺サイトの情報提供を開始する。
(2013/12/20 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】 ・「ネット通販詐欺サイト」に関する相談件数の推移(@Press:日本通信販売協会) http://www.atpress.ne.jp/view/40623 ・「インターネット通販の前払いによるトラブル」が急増!(国民生活センター) http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20131219_1.html
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