安さや商品の魅力に引かれて、「危険」「怪しい」と感じつつもショッピングサイトを利用し、その結果トラブルにあった人が500人中9人――こんな調査結果をBBソフトサービスが10日に発表した。
同社によると、詐欺サイトと見分けがつかないECサイトが増加していることを受け、インターネットショッピングの利用実態について調査を行った。対象は、これまでにインターネット上でショッピングあるいはクレジットカード決済をしたことがある全国の20~60歳代の男女計500名で、調査期間は1月31日~2月3日。
■20代の47%が「ネットショッピング利用時に気をつけていることはない」
インターネットショッピング利用時に気をつけていることはあるかという質問には、56.2%の人が「販売会社」をチェックしていると答えた。「問い合わせ先」や「特定商取引の表記」をチェックしているとした人は、それぞれ17.6%、14.8%だった。一方、34.0%が気をつけていることは「ない」と回答。特に20代では47.0%がないとしている。
■「怪しい」と感じつつもサイトを利用、その半数が被害に
「これまで危険あるいは怪しいと感じたサイトはありますか?」という質問には、約4割にあたる191名が「ある」と回答した。具体的には「日本語の表記がおかしい」が51.8%、「商品がありえないくらい安い」が49.2%。また、「販売会社が海外」(27.2%)や、「商品発送が海外から」(24.1%)など、海外との取引に対する不安や不信感を持っている回答も多く見られたという。
「危険、怪しいと感じたサイトは、結局利用しましたか?」という質問には、20名が利用したと回答。理由としては「安かった」(45.0%)、「商品が魅力だった」(40.0%)、「問題ないだろうと思った」(15.0%)が多い。
危険、怪しいと感じたサイトを利用した20名に対してトラブルの有無をたずねたところ、約半数の9名が「(トラブルが)あった」と回答した。トラブルの内容としては、違う商品が届いた、偽物の商品が届いた、商品の発送に異常に時間がかかった、代金は払ったのに商品が送られてこなかった、といったことが挙げられている。購入した商品はバッグや服、ブランド品とさまざまで、10万円以上の高額な被害にあった回答者もいた。
■被害にあわないために、あってしまったら
ネット通販詐欺に関しては、本通信でもたびたび情報をお伝えしてきた。前払いで振込先が個人名の場合は特に注意し、少しでも怪しいと思ったら、電話をかけてこちらの質問に的確に答えられるか確かめてみよう。日本通信販売協会(JADMA)が公開している資料「詐欺サイトで被害に逢わないための事前の対処法」も、図入りでわかりやすく参考になる。
なお、東京都の発表によると、2013年度上半期に都内の消費生活センターに寄せられたインターネット取引に関する相談において、商品別では「運動ぐつ」の相談が最も多かった。ハンドバッグ、財布類、腕時計、婦人靴に関する相談も多い。現在も、たとえば「スニーカー 人気」などと検索すると怪しいサイトがいくつも見つかる。だまされないようくれぐれも注意していただきたい。
万一被害にあってしまった場合は、地元の警察の相談窓口に相談しよう。JADMAも相談窓口「通販110番」を設置しており、JADMAの会員でない業者に対する相談も受け付けている。
(2014/02/14 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】 ・インターネット詐欺リポート(2014年1月度)(BBソフトサービス) http://www.bbss.co.jp/company/news/2014/news_20140210.html
・詐欺サイトで被害に逢わないための事前の対処法[PDF](日本通信販売協会) http://www.jadma.org/tsuhan-kenkyujo/files/cope.pdf
・「インターネット取引」の消費生活相談の概要[PDF](東京都) http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/tokei/documents/theme_2601.pdf
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