ネットバンキングのパスワードなどを盗み取り、口座から勝手に預金を引き出す犯罪が急増していることを受け、全国銀行協会では特設サイトを開設し、対策を呼びかけている。
2013年にネットバンキングで不正送金された額は14億600万円で、2012年の約30倍にものぼった。全銀協の特設サイトでは、ネットバンキング犯罪の主な手口とセキュリティ対策を紹介しており、預金を守るためセキュリティ対策を始めようと呼びかけている。
手口の例として挙げられているのは、「ウイルス感染」と「フィッシング」の2つ。ウイルスを使う手口では、犯人はまず、何らかの手段を使ってウイルスをユーザーのパソコンに送り込む。パソコンがウイルスに感染してしまうと、ネットバンキング利用時に偽の入力画面が表示されたり、メールを盗み見られたりする。ユーザーが偽画面に乱数表や合言葉などのパスワード情報を入力してしまう、あるいは銀行からのメールに記載されていたパスワード情報が盗み取られてしまうことにより、犯人にパスワード情報が渡ってしまい、口座から預金を引き出されてしまう。
フィッシングサイトを使う手口とは、銀行を装った偽のメールを送るなどして、偽のホームページ(フィッシングサイト)へと誘導し、乱数表や合言葉などのパスワード情報を入力させて盗み取るというもの。
預金を守るために紹介されている対策は3つ。1つ目はセキュリティ対策ソフトを導入し、最新の状態にしておくこと。OSやブラウザーも最新の状態にしておきたい。2つ目は、ワンタイムパスワードなど、銀行が導入、推奨しているセキュリティ対策を積極的に利用すること。払戻しなどの限度額も、必要な範囲内でできるだけ低く設定しておきたい。3つ目は、「パスワードは慎重に入力する」こと。偽のメールや偽の画面に注意するのはもちろんだが、そもそも銀行からIDやパスワードなどといった大切な情報をメールで照会することはない。銀行のホームページで偽のメールや偽の画面の具体例をチェックしておくことも勧められている。
(2014/03/25 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・ネットバンキング犯罪対策特設サイト(全国銀行協会)
https://www.zenginkyo.or.jp/ib_hanzai/