警察庁は21日、今年1~6月に摘発・補導した少年事件をまとめた「平成26年上半期の少年非行情勢について」を公表した。いじめに起因する事件は149件発生し、このうちインターネットを利用して行われたものは14件だった。
同庁の発表資料によると、今年上半期にいじめが原因となって起きた事件は149件で、事件により検挙・補導された少年少女は259人。内訳は小学生35人、中学生183人、高校生41人だった。
どのようないじめが行われたのか「罪種別」を見ると、多い順に「傷害」56件、「暴行」36件、「児童買春・児童ポルノ」15件、「恐喝」12件、「暴力行為」11件など。3番目に多い「児童買春・児童ポルノ」15件のうち、13件はインターネットを利用して行われた。このほか「侮辱」1件があり、インターネットを利用して行われたいじめは、計14件だった。
「児童買春・児童ポルノ」15件では、中学生15人が検挙・補導され、このうち12人が女子だった。15件のうち13件はネットを利用したもので、子どものネット利用の危うさが改めて浮き彫りとなった。
「侮辱」はインターネット利用で行われた1件のみだが、中学生2人、高校生2人、計4人の男子が検挙・補導されている。ブログやSNSなどでの書き込みによる名誉棄損、誹謗中傷などのトラブル増加が指摘されており、自他の裸の写真を撮影してネットに流してしまう「児童ポルノ」とともに、ネットリテラシー教育の必要が痛感される。
なお、なにをもって「いじめ」の要件とするかは、2013年9月施行の「いじめ防止対策推進法」により規定されている。2013年上半期までの警察庁の集計はそれ以降の集計方法と異なっており、旧定義による集計法では今年上半期の事件数は前年同期(142件)より7件多いが、新定義で比較すると前年同期は192件となり、今年上半期は43件(22%)減少したことになる。
(2014/08/21 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・平成26年上半期の少年非行情勢について[PDF]
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/hikoujousei/H26_1.pdf