警察庁は13日、今年上半期に発生したコミュニティサイトに起因する犯罪被害に関する調査結果を発表した。被害児童の9割以上がフィルタリング未加入で、アクセス手段としてスマートフォンを利用している割合は過去最高となった。
2008年末に「出会い系サイト規制法」が改正されて以降、出会い系サイトよりコミュニティサイトで被害にあう児童数が大きく上回る現象が続いている。今年上半期においても、出会い系サイト起因の被害児童数は82人であるのに対し、コミュニティサイト起因の被害児童数は698人という結果だった。
今回の調査は、今年上半期に検挙した948件(被疑者789人、被害児童698人)を対象に、捜査過程で判明した事実を基に集計されている。
■連絡にはサイト内掲示板を利用、アクセス手段はスマホ
被疑者と被害児童が連絡手段としてメールアドレス等を知りあう方法については、サイト内掲示板等に記載したケースが約6割を占め、ミニメールに記載するケースは減少傾向が続いている。
コミュニティサイトへのアクセス手段は、被疑者は携帯電話(スマートフォン含む)を使う例が9割以上、うちスマートフォン利用は760件(携帯電話利用ケースの約9割)。被害児童は携帯電話(スマートフォン含む)を使うケースが約9割、うちスマートフォン利用の児童数は543人(携帯電話を使った事犯の約9割)で、2010年の調査開始以来最多だった2013年下半期の調査結果を上回った。プロフィールの詐称は、2010~2013年までは1~2割台で推移していたが、今期は3割を超えた。
■被害児童の5割が保護者から注意なし、9割以上がフィルタリング未加入
被害児童の5割以上がサイト利用について保護者から注意を受けておらず、9割以上がフィルタリング未加入だった。フィルタリング未加入については、調査を開始した2010年以降、9割前後の高い割合で推移している。
警察庁は被害を防ぐ対策として、サイト事業者等へのサイト内監視体制の強化やゾーニングの導入に向けた働きかけを行う。また、フィルタリングの普及徹底に努め、児童・保護者等に対する広報啓発を行うとしている。
(2014/11/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る調査結果(平成26年上半期)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h26/h26_community-1.pdf
・出会い系サイトに係る犯罪予防特集ページ
http://www.npa.go.jp/cyber/deai/index.html