全国銀行協会は11月27日、会員の金融機関191行を対象にした「インターネットバンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果を発表した。
アンケートは、同協議会の正会員・準会員・特例会員(191行)を対象に、今年9月末時点までの不正払戻しについて調査し、集計したもの。預金者から申出があって当該口座を確認した結果、本人(または配偶者や親族等)以外による預金等の不正な払戻しが発生しており、被害者に返還できない状態となった件数および金額を計上している。
今年7~9月(2014年第3四半期)に発生した不正送金の件数は260件、被害金額は3億9400万円だった。今年4~6月(2014年第2四半期)と比較すると、個人顧客は件数が441件から237件へ、被害金額が4億4800万円から1億7500万円へ、大幅に減少している。しかし法人顧客の被害をみると、件数は48件から23件へと半減したものの、金額は1億9800万円から2億1900万円へ増加した。法人顧客の1件当たりの被害金額は増えていることがわかる。
法人顧客の被害が増大していることは、年間を通してみても明らかだ。昨年度はインターネットバンキングの不正送金が過去最悪だった年で、被害件数1019件(個人984件、法人35件)、被害金額14億3300万円(個人12億5000万円、法人1億8300万円)を記録している。今年度は、あと3か月を残した4~9月までの期間で、被害件数749件(個人678件、法人71件)、被害金額10億3900万円(個人6億2200万円、法人4億1700万円)となり、法人顧客の被害は、件数・金額ともに、すでに昨年度1年間を上回っている。
(2014/12/01 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:全国銀行協会】
・「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果(平成17~25年度)[PDF]
http://www.zenginkyo.or.jp/news/entryitems/news261127_2.pdf
・盗難通帳、インターネット・バンキング、盗難・偽造キャッシュカードによる預金等の不正払戻し件数・金額等に関するアンケート結果および口座不正利用に関するアンケート結果について
http://www.zenginkyo.or.jp/news/2014/11/27150000.html