消費者庁は7日、健康食品についてネット上で「病気の予防に効果がある」「脂肪を溶かす成分により体重を大幅に減らせる」など、虚偽・誇大表示をしていた87事業者、129商品について、表示の改善を要請した。
同庁によると、2014年1月から2015年3月にかけて、検索サイトで「インフルエンザ」「ノロウイルス」「がん」「高血圧」「ダイエット」などの言葉を検索し、目視で確認した。また、「特定保健用食品」「トクホ」「特保」の許可表示を逸脱した表現についても監視した。
その結果、87事業者の129商品について、健康増進法に違反するおそれのある表示があった。このため同庁は、これらの事業者に対し表示の適正化を求めるとともに、事業者が出店しているショッピングモール運営事業者にも通知して協力を要請した。
食品として販売されているものについては、健康増進法第32条の2で、健康の保持増進の効果などについて、著しく事実に相違したり、著しく誤認させたりするような広告をしてはならないとされている。たとえば「食品○○のおかげで糖尿病が治った」「食品○○には、免疫力を高める△△が含まれており、インフルエンザを予防できます」といった表示がこの規定に抵触する。具体的には、以下のような表示があった。
・生鮮食品:胃潰瘍や胃炎の予防・改善の効果がある
・加工食品:花粉症等アレルギー体質を改善する効果がある
・飲料等:風邪のときの鼻やのどのトラブルを緩和する効果がある
・いわゆる健康食品:脂肪を溶かす有効成分により、痩身効果がある
・その他の食品:風邪やインフルエンザの症状改善などの効果がある
国立健康・栄養研究所では、健康食品のインターネット広告について、広告主が誇大広告を任意に掲載することができ、新聞や放送、雑誌広告の広告考査が果たしている「事前抑止効果」を期待することができない上に、これらメディアを通じた広告と同様に影響力が大きいと指摘している。
同研究所は、消費者向けの「健康食品Q&A集」をホームページで公開しており、その中で虚偽広告、誇大広告にだまされない方法についてアドバイスしている。また、特定保健用食品の許可をとっていない製品が特定保健用食品のような表示をしている例もあるとして、表示をよく見たり、特定保健用食品のマークを確認したりするなどして、違法な表示に惑わされないよう呼びかけている。
(2015/09/15 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について(平成26年1月~平成27年3月)[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/150907premiums_1.pdf
・消費者庁がインターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の改善を要請(国立健康・栄養研究所)
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail3068.html
・健康の保持増進効果等の虚偽・誇大広告等の表示の禁止(国立健康・栄養研究所)
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail166.html
・健康食品Q&A集 Q6「健康食品」の虚偽誇大な広告にだまされない方法を教えてください(国立健康・栄養研究所)
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail696.html#qa6