総務省は13日、青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査の結果を取りまとめ、公表した。
調査は今年6~7月に、全国75の学校の約1万3600名の高校1年生相当を対象に行われた。インターネット等の利用状況に関するアンケートと、インターネット上の危険・脅威への対応能力や情報判断能力などを測るテストを行い、クロス集計を実施した。
■ネット接続に最もよく利用する機器はスマートフォン
青少年の91.5%がスマートフォンを保有し、ノートPCやデスクトップPCの保有率が低下しているなか、タブレットPCの保有率は増加している。インターネット接続に最もよく利用する機器はスマートフォンと回答した青少年は85.5%で、スマートフォンの1日当たりの平均利用時間は、平日1~2時間、休日2~3時間が最も多かった。
■約半数が「会ったことがないSNS上だけの友人」をもつ
「一度も会ったことのないSNS上だけの友人」は、「いない」が52.5%、「いる」とする回答は約半数で、人数は「11人以上いる」18.1%、「1~2人」11.4%、「3~4人」9.0%だった。SNS上だけの友人の平均数は、女子のほうが男子よりも多い。所属チャットグループ数は6~10が最も多く、平均所属グループ数も女子の方が男子より多い。また、スマートフォンの利用時間が長くなるにつれて、就寝時間が遅くなり、利用時間のうちにSNSが占める割合が増える傾向がある。
■7~8割がフィルタリングを高評価するも利用率は49.3%
スマートフォン利用者にフィルタリングに対するイメージを問う質問では、「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれるもの」とする積極的評価が72.3%、「使いたいサイトやアプリを利用できなくする邪魔なもの」いうマイナス評価は9.0%、「フィルタリングをそもそもよく知らない」という回答は18.7%だった。フィルタリングに対する必要性の意識については、「必要だと思う」39.0%、「どちらかといえば必要」39.3%で、約8割が必要性を認識している。しかし、実際にフィルタリングを利用している青少年は49.3%にとどまる。
■リテラシー高める「家庭のルール」
今回の調査結果では、次のような相関が判明した。「フィルタリングの意義について理解している青少年は、邪魔なものと考える青少年よりもテストの正答率が高い」「フィルタリングを利用している青少年は、利用していない青少年より正答率が高い」「スマートフォンやSNS利用に関する家庭のルールがある青少年は、ルールがない青少年より正答率が相対的に高い。フィルタリング利用率も相対的に高い」。
こうした調査結果から、インターネット・リテラシーを高めるためには、青少年がフィルタリングの必要性や意義等を自ら考える機会を設けること、家庭のルールづくりやフィルタリングに対する保護者の意識を高めることが重要であるとしている。
(2015/11/19 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:総務省】
・平成27年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等[PDF]
http://www.soumu.go.jp/main_content/000385926.pdf