撮影された人の同意なくインターネット上に性的画像等を公開するいわゆるリベンジポルノ(復讐目的のポルノ)について、警察庁は17日、2015年の相談状況、検挙状況等を明らかにした。被害にあった場合の対処法は、以前に比べ大きく前進している。
警察庁の公開資料(下欄「関連URL」参照)によると、2015年に全国の警察に寄せられたリベンジポルノに関する相談件数は1143件で、被害相談の9割が女性、1割が男性だった。被害者の年齢は多い順に20代(38%)、30代(23%)、19歳以下(20%)で、加害者の年齢は30代(23%)、20代(22%)、40代(18%)が多く、19歳以下は10%に留まる。
■被害の最多は「公表する」という脅し
相談内容(複数回答)をみると、もっとも多いのは「画像を公表すると脅された」502件、次いで「画像を所持されている、撮影された」343件、「画像を送りつけられた」245件が続き、実際に画像を公表されてしまったという相談は188件あった。28件ある「その他」には、「画像の購入要求」などが含まれる。
■加害者で2番目に多い「ネット関係のみ」の知人友人
被害者と加害者の関係で最も多いのは交際相手(元含む)で、725件(63%)が該当する。2番目に多いのは「ネット関係のみ」の知人友人で、一度も会ったことがない相手に問題となる画像を送信していたことに起因する被害が130件(11%)あった。以下、ネットのみではない「知人友人」113件(9.9%)、「その他(客と従業員等)」57件、「配偶者(元含む)」53件と続く。
■303件が検挙され、画像削除等の対応も
相談等を受けた1143件のうち、2014年11月施行のリベンジポルノ法(私事性的画像被害防止法違反)で53件が検挙された。このほか、250件が同法以外の刑法・特別法(脅迫罪、児童買春・児童ポルノ禁止法違反等)で検挙されている。また被害者への防犯指導・助言、画像削除を含む加害者への注意・警告等が行われている。
■「削除依頼」相談はできるだけ早く
インターネットで公表されてしまった画像は、プロバイダー等を通じて削除を要請できる。もよりの警察署のほか、セーフライン(下欄にURL)も削除相談を受け付けている。削除要請が遅くなればなるほどネットでの拡散を許してしまうので、相談はできるだけ早いほうが高い効果を期待できる。
(2016/03/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・平成27年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/stalker/seianki27STDV.pdf
・「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」が施行されました(警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/shiseigazouboushi/
・リベンジポルノの被害にあわれたら(セーフライン)
http://www.safe-line.jp/against-rvp/
・統計情報(セーフライン)
http://www.safe-line.jp/statistics/