「サクラサイト」といえば、異性になりすましたサクラが有料メールなどで応対する、ポイント制の出会い系サイトを思い浮かべる方が多いだろう。この詐欺的ビジネスが、占いサイトに進出している。
国民生活センターは5月30日、ポイント制の悪質な占いサイトに、100万円以上も支払ってしまった事例を紹介し、注意を呼びかけた。
占いサイトのトラブルといえば、「無料のサイトに登録したら有料サイトにも登録されていた」、「料金の請求メールが来た」、「迷惑メールが大量に届くようになった」などが。これまでの定番だった。最近多いのは、購入したポイントを使って占い師とやり取りをするうちに、利用料金が高額になってしまう、ポイント制の出会い系サイトとよく似たトラブルだ。
■出会い系サイトのシステムを流用
実際にトラブルになっているサイトをいくつか調べたが、購入したポイントを使ってメールをやり取りする出会い系サイトのシステムを、そのまま流用しているとみられるメール占い専門の占いサイトも多かった。
異性に見せかけたサクラの応対が、占い師に見せかけたサクラの応対に変わっただけ。思わせぶりな内容で相手を引き止めながら、有料メールのやり取りを繰り返して利用料金を搾り取る、悪質なビジネスだ。同センターが紹介している相談事例では、一度利用すると依頼もしていないのに占い師から何度もメールが届くようになり、1通約1500円かかるメールのやり取りを重ねるうちに、総額100万円以上もサイトに支払ってしまったという。
■違法や不当取引という判断が難しい「占い」
同センターは次のように述べており、対応に苦慮している状況がうかがえる。
「占い師になるための公的資格等はなく、誰でも名乗れることに加え、占い結果の真偽等を評価することもできない。そのためこうした苦情が消費生活センター等に寄せられたとしても、即座に違法もしくは不当な取引であるとの判断は難しい。また、『占いサービス』は広く一般的に利用されているサービスでもある」。
出会い系サイトの相談が年々減少してきた中で、こうした占いサイトが新たな火種にならないことを祈るばかりだ。
(2016/06/02 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・占い師と何度も有料でメールをやり取りさせる占いサイト
http://www.kokusen.go.jp/jirei/data/201605_1.html
・詐欺的“サクラサイト商法”トラブルについて
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/sakurasite.html